ポイント解説
イギリスの宗教改革は、国王ヘンリ8世の離婚問題という、ドイツやスイスの宗教的情熱とは異なる要因で始まりました。離婚ができないならカトリックをやめてしまえ、ということでイギリス国教会という新しい宗派を形成しました。旧教側も対抗宗教改革を行い、イエズス会が積極的に海外布教を展開し、ザビエルが日本に来日しました。
1.イギリスの宗教改革
①ヘンリ8世 ※テューダー朝
ⅰ.離婚問題
・教皇は離婚を認めず、対立
ⅱ.国王至上法(首長法):1534年
・イギリス国教会の成立
→イングランドの教会はカトリックから分離・独立し、国王に従属
②メアリ1世
・カトリックに復帰
・新教徒を弾圧
③エリザベス1世
・1559年の統一法
→イギリス国教会の確立
※イギリス独自の教会体制
2.対抗宗教改革(反宗教改革)
・カトリック教会(旧教側)の運動
・イタリア・スペインが中心
①トリエント公会議:1545~63年
・教皇の至上権を再確認
・カトリックの教義を再確認
・禁書目録の制定
…所有・読書を禁じた書物・著者のリスト
・宗教裁判の強化:思想統制
②イエズス会(ジェズイット教団)
・1534年、イグナティウス=ロヨラ中心に結成
・積極的な海外布教
→1549年、フランシスコ=ザビエルは日本に布教
3.宗教戦争
16~17世紀、新旧両派の対立から発生
・シュマルカルデン戦争:1546~47年
・ユグノー戦争:1562~98年
・オランダ独立戦争:1568~1609年
・三十年戦争:1618~48年
※「魔女狩り」:16~17世紀中心にみられた