ポイント解説
初代ヌルハチから6代乾隆帝までの時代(1616~1795年)を確認します。特に、4代の康煕帝から6代の乾隆帝までの130年余りの治世は、清の最盛期を築きました。
清(1616~1912)
1.ヌルハチ(太祖):在位1616~26年
・女真(満州)諸部族を統一
・中国東北地方を支配
・独自の国家を建設し明に対抗
①建国:1616年
・国号を後金(アイシン)とする
②八旗を編制
・軍事・行政組織
・全軍を8つの軍団(旗)に分けた
③文字
・満州文字を制定
2.ホンタイジ(太宗):在位1626~43年
①支配の拡大
ⅰ.チャハル
・内モンゴルを支配したモンゴル部族
・1635年、満州人の支配下に
ⅱ.朝鮮
・1637年制圧
②清の成立
・1636年、皇帝と称し、国号を清に変更
※民族名を満州とする
3.順治帝:1643~61年
①明の滅亡と清の侵入
・李自成が北京を占領、明滅亡
→清軍は山海関を突破、長城内へ
※山海関:万里の長城の東端の関所
・清軍が北京を占領、首都とする
※明の武将呉三桂が清に帰順し協力
②中国全土の平定
・1661年頃までにほぼ実現
4.康煕帝:在位1661~1722年
①三藩の乱:1673~81年
・南方の3人の漢人武将(藩王)の反乱
※その1人が呉三桂
・1681年、鎮圧される
→清の中国支配が確立
②台湾平定:1683年
・1661年、鄭成功(国姓爺)が台湾を占領
→鄭氏台湾の成立(1661~83年)、清に抵抗
※鄭成功の父は鄭芝竜
・1683年、康煕帝の攻撃を受け清に帰順
③外交・対外政策
ⅰ.ネルチンスク条約:1689年
・ロシア(ピョートル1世)と結ぶ
・満州方面の国境を画定
・外興安嶺(アルグン川とスタノヴォイ山脈)を両国の国境とする
※中国初の対等な条約
ⅱ.典礼問題
・中国布教におけるカトリック会派間の対立
・1704年、イエズス会以外の布教を禁止
5.雍正帝:在位1722~35年
①キリスト教の布教を禁止
・1724年、全宣教師を国外追放
②キャフタ条約:1727年
・ロシアと結ぶ
・西部国境(モンゴル地区)の画定など
③軍機処の設置:1730年
・政務の最高機関
6.乾隆帝:在位1735~95年
①海上貿易
・1757年、ヨーロッパ船の来航を広州のみに制限
→公行(特権商人団体)が貿易業務を独占
②ジュンガルの制圧
※オイラト系の部族
・1758年に滅ぼす
→東トルキスタン全域を占領し、新疆と称す
※新疆:新しい領土の意味
※清の領土は最大に
→現在の中国の領土の原形
漢字の読み方
・後金:こうきん
・八旗:はっき
・旗:き
・順治帝:じゅんちてい
・李自成:りじせい
・山海関:さんかいかん
・呉三桂:ごさんけい
・康煕帝:こうきてい
・三藩の乱:さんぱんのらん
・鄭成功:ていせいこう
・国姓爺:こくせんや
・鄭芝竜:ていしりゅう
・外興安嶺:そとこうあんれい
・雍正帝:ようせいてい
・軍機処:ぐんきしょ
・乾隆帝:けんりゅうてい
・広州:こうしゅう
・公行:こうこう(コホン)
・新疆:しんきょう