ポイント解説
ルネサンスはフランス語で「再生」を意味します。中世のキリスト教中心、神中心の生き方から、人間中心の生き方へ。古代ギリシア・ローマの文化にあふれていた人間性の再生でした。そんなルネサンスは、14世紀イタリアで始まりました(イタリア=ルネサンス)。しかし、大航海時代やイタリア戦争の影響によりイタリア=ルネサンスが衰退すると、ルネサンスの中心はアルプス以北に移りました(北方ルネッサンス)。
1.ルネサンス
①ルネサンスとは
・時期:14~16世紀
・古代ギリシア・ローマの文化を模範とする文化運動
※フランス語で「再生」を意味する
・14世紀イタリアで始まる
→15世紀以降西欧各国へ
②人文主義(ヒューマニズム)
・ルネサンスの基本理念
・人間の理性や尊厳を尊重
※中世のカトリック的禁欲主義から脱却
③ルネサンスの保護者
ⅰ.イタリア
・フィレンツェのメディチ家
ⅱ.イギリス、フランス、スペイン
・国王
※イタリア=ルネサンスの衰退
・大航海時代の影響:イタリア諸都市の没落(貿易の中心が地中海から大西洋へ)
・イタリア戦争:戦場となったイタリアの荒廃
→ルネサンスの中心はアルプス山脈以北へ移る(イギリス・フランス・スペイン・ネーデルラント)
2.文芸と美術
①イタリア=ルネサンス
ⅰ.文学その他
・ダンテ:『神曲』
※トスカナ語で著述
ルネサンスの先駆
・ボッカチオ:『デカメロン』
※近代小説の原型となる
・マキャヴェリ:『君主論』
※近代政治学の祖となる
ⅱ.美術その他
・レオナルド=ダ=ヴィンチ
「最後の晩餐」「モナ=リザ」
※万能の天才
・ミケランジェロ
「ダヴィデ像」「最後の審判」
・ボッティチェリ
「ヴィーナスの誕生」
②北方ルネサンス
ⅰ.文学その他
・エラスムス(ネーデルラント)
『愚神礼賛』
※16世紀最大の人文主義者
・モンテーニュ(フランス)
『エセー(随想録)』
・セルバンテス(スペイン)
『ドン=キホーテ』
・トマス=モア(イギリス)
『ユートピア』
・シェークスピア(イギリス)
『ハムレット』
ⅱ.自然科学
・コペルニクス(ポーランド)
地動説を主張
※教会は天動説を支持
・ガリレイ:地動説を実証
→宗教裁判で撤回
③ルネサンスの三大発明
・羅針盤
・火薬
・鉄砲
※いずれも中国で発明
→イスラーム世界からヨーロッパへ伝わり、改良・実用化
漢字の読み方
・新曲:しんきょく
・最後の晩餐:さいごのばんさん
・最後の審判:さいごのしんぱん
・愚神礼賛:ぐしんらいさん
・随想録:ずいそうろく
・羅針盤:らしんばん