世界史:フランスの宗教内乱と絶対王政(概略)

ポイント解説

フランスでは16世紀後半のユグノー戦争中にヴァロワ朝が断絶し、ブルボン朝にかわりました。このブルボン朝においてフランスの絶対王政が確立されます。絶対王政を理論的に肯定したのが王権神授説で、ルイ14世ボシュエが主張しました。


1.ユグノー戦争:1562~98年

・フランスで起こった宗教戦争

新教徒(ユグノー)VS旧教徒(カトリック)

 ユグノーフランスのカルヴァン派新教徒

・国王シャルル9世のときに始まる

 →摂政は母のカトリーヌ=ド=メディシス

※戦争中にヴァロワ朝が断絶ブルボン朝

 

①ユグノー戦争の長期化

サンバルテルミの虐殺:1572年

 …パリで旧教徒が多数の新教徒を殺害

→新旧両教徒の対立が激化

※思想家ボーダンは宗教問題よりも国家の統一を優先することを主張

 

②ユグノー戦争終結

・ブルボン家アンリ4世

 …ユグノー戦争では新教の指導者として旧教と対立

→即位後、新教から多数派の旧教に改宗

 

・1589年、ナントの王令

 …ユグノーに信仰の自由を保障

→これによりユグノー戦争終結

 

2.フランス絶対王政の確立

※確立期:アンリ4世ルイ13世

 最盛期:ルイ14世

 衰退期:ルイ15世

ブルボン朝:1589~1792、1814~30年

 …アンリ4世を初代の国王として成立

 

アンリ4世:在位1589~1610年

・王権強化に努める

ⅰ.ナントの王令:1598年

ユグノー戦争を終わらせる

 

ⅱ.ケベックを建設:1608年

カナダの植民地化を進める

 

ルイ13世:在位1610~43年

・新教徒弾圧、海外進出を進める

フランスの絶対王政を確立

 

※宰相リシュリューの政策

三部会招集停止

・三十年戦争新教側で介入

 →対立するハプスブルク家に打撃

 

マザランの政策

ルイ14世(在位1643~1715年)の宰相

・王権強化策を継続

フロンドの乱(1648~53年)を鎮圧

 ※最高司法機関の高等学院や貴族の反乱

 

ルイ14世の親政

※宰相マザラン死後の1661年~

 

ⅰ.絶対王政を強化

王権神授説をとなえる

ボシュエ(王権神授説を主張した聖職者)を登用

「朕は国家なり」と言ったとか

「太陽王」と呼ばれた

・フランス絶対王政の最盛期を築く

 

ⅱ.重商主義政策を推進

コルベールを財務長官に登用

・1664年、東インド会社を再建

※1682年、ヴェルサイユ宮殿が完成

 

ⅲ.侵略戦争

・南ネーデルラント継承戦争:1667~68年

オランダ戦争:1672~78年

ファルツ戦争(アウクスブルク同盟戦争):1688~97年

スペイン継承戦争:1701~13年

 →ユトレヒト条約で講和