ポイント解説
ムガル帝国は、バーブルがその基礎を築き、3代目アクバルの時に最盛期を迎えました。文化面ではシャー=ジャハーンのタージ=マハルが有名です。しかし、アウラングゼーブの時代になると、征服戦争に勝利して領土は最大をなりましたが、ヒンドゥー教徒との関係が悪化し、その治世末期には帝国の衰退が始まりました。
ムガル帝国:1526~1858年
1.建国と発展
①バーブル:在位1526~30
※ティムールの子孫
・1526年、パー二―パットの戦い:ロディー朝に勝利
※ロディー朝:デリー=スルタン朝最後の王朝
→ムガル帝国を建国、初代皇帝になる
②アクバル:在位1556~1605
・第3代皇帝
・帝国を実質的に確立。最盛期を築く
ⅰ.マンサブダール制
・全ての官僚に位階を与え、位階に応じて給与と保持すべき騎馬数を定めた
ⅱ.人頭税(ジズヤ)の廃止
・非イスラーム教徒に課されていた税を廃止
→ヒンドゥー教徒との融和が進む
※シク教の成立:16世紀初頭
・ナーナクが創始
・イスラーム教とヒンドゥー教を融合
2.インド=イスラーム文化の黄金時代
※インド固有の文化とイスラーム文化が融合
・第5代皇帝シャー=ジャハーン(在位1628~58)の時期
→タージ=マハルの建設:妃の墓廟
①細密画(ミニアチュール)
・イランから伝わる
②多言語
ⅰ.ペルシア語
・ムガル帝国の公用語
ⅱ.ヒンディー語
・現在のインドの公用語の1つ
ⅲ.ウルドゥ語
・現在のパキスタンの公用語
3.ムガル帝国の衰退
①アウラングゼーブ:在位1658~1707
・第6代皇帝
・イスラーム教を深く信仰
・帝国の領土は最大になるが…
ⅰ.人頭税(ジズヤ)の復活
ⅱ.ヒンドゥー教寺院の破壊
→ヒンドゥー教徒の反発を招く
②ムガル帝国の衰退・解体
・ラージプート諸侯の抵抗
※クシャトリア(戦士)階級のヒンドゥー勢力
・シク教徒の反乱
・各地に独立政権が登場
4.その他の王国
①ヴィジャヤナガル王国:1336~1649
・デカン高原中南部~インド南部を支配
・ヒンドゥー教国
②マラーター王国:17世紀半ば~1818
・インド西部を支配
・ヒンドゥー教国
漢字の読み方
・墓廟:ぼびょう
※死者を祀る宗教施設