世界史:産業革命(概略)

ポイント解説

18世紀イギリス綿工業から始まった産業革命により、イギリスは世界の工場となったほか、資本主義体制が確立しました。工業が発展し、ベルギーフランスなどにも産業革命が波及した一方、労働問題・社会問題が深刻化し、やがてその解決をめざす社会主義思想も登場することになりました。


産業革命

・最初の国:イギリスから

・最初の分野:綿工業から発展

 

1)織布部門

※織布(紡織):綿糸から綿織物を生産する

 

飛び杼の発明

・1733年、ジョン=ケイが発明

・布を織る作業効率が飛躍的に向上

→産業革命のきっかけとなった

 

力織機の発明

・1785年、カートライトが発明

 

2)紡績部門

紡績:綿花から綿糸を生産する

 

多軸紡績機(ジェニー紡績機)の発明

ハーグリーヴスが発明

 

水力紡績機

アークライトが発明

 

ミュール紡績機

クロンプトンが発明

 

3)動力部門

蒸気機関

・18世紀初め、ニューコメンが発明

→1769年、ワットが改良

※さまざまな機械の動力に利用

 

4)交通・輸送部門

蒸気船

・1807年、アメリカ人フルトンが建造

 

蒸気機関車

・1814年、スティーブンソンが製作

→1830年、マンチェスター・リヴァプール間を開通

 

交通革命

・19世紀に起こった交通・運輸の一大変革

・蒸気船・蒸気機関車の発明、運河網の拡大、道路の改良などにより推進

 

5)イギリス産業革命の波及

①イギリスの変化

・綿工業から機械工業鉄工業石炭業の発達

「世界の工場」となる:良質で安価な工業製品を大量生産し各国に輸出

 

ベルギー産業革命

・1831年にオランダから正式に独立し、産業革命が進んだ

 

フランス産業革命

・1830年の七月革命の後に産業革命が本格化

・産業革命の進展はゆるやか

 

6)産業革命の影響

資本主義体制の確立

・大規模な機械制工場の出現

産業資本家(工場の経営者)が労働者を雇い、商品を生産して利潤を得る

 

②労働問題の発生

・女性・子どもの労働

・低賃金・長時間労働

・劣悪な労働環境

労働者階級は資本家階級と対立し、労働組合を結成

 

③社会問題の発生

都市への人口集中マンチェスターバーミンガムなど

→住環境の悪化

 

※資本家は利潤(利益)の追求を優先 


漢字の読み方

綿工業:めんこうぎょう

織布:しょくふ

紡織:ぼうしょく

・綿糸:めんし

綿織物:めんおりもの

飛び杼:とびひ

力織機:りきしょっき

・紡績:ぼうせき

多軸紡績機:たじくぼうせきき