世界史:フランス革命(概略)


0.フランス革命の構造と前提

旧制度(アンシャン=レジーム)

・フランス革命前のフランスの政治・社会制度

 

②国民の区分

第一身分聖職者

第二身分貴族

※第一・第二身分は特権身分

 

第三身分平民:総人口の約98%

→租税負担の義務あり。社会的発言は認められず、不満を強める

※市民と農民(約85%)に分かれる


1.三部会期:1789年5~6月

①国王ルイ16世(在位1774~92年)

※財政改革:国家財政の悪化に対応

テュルゴーネッケルを登用

・175年ぶりに三部会を招集

→特権身分と第三身分が対立

→第三身分の議員が離脱し国民議会を結成


2.国民議会期:1789年6月~91年9月

球戯場の誓い(テニスコートの誓い)

・1789年6月、第三身分の議員が憲法制定まで解散しないことを誓約

 

フランス革命の始まり

1789年7月14日、パリの民衆がバスティーユ牢獄を襲撃

→全国に農民蜂起が拡大

(フランス革命は1799年まで続く)

 

封建的特権の廃止

・1789年8月、国民議会が決定・発布した宣言

領主裁判権の廃止、教会への十分の一税を無償で廃止など

 

人権宣言

・1789年8月、国民議会が採択・発布

ラ=ファイエットらが起草

 ↑アメリカ独立戦争にも参戦した人物

・人間の自由・平等主権在民(国民主権)、私有財産の不可侵など

 

ヴェルサイユ行進

・1789年10月、パリの女性ら数千人がヴェルサイユに行進し、宮殿に乱入

→国王ルイ16世一家をパリに連行

 

ヴァレンヌ逃亡事件

・1791年6月、国王一家がオーストリアに逃亡しようとして失敗

→国民の信頼を失う

 

1791年憲法

・1791年9月、国民議会が制定

・内容:立憲君主政、制限選挙など

国民議会は解散


3.立法議会期:1791年10月~92年9月

立法議会1791年憲法に基づく制限選挙により成立

 

①立憲君主派ジロンド派(穏健共和派)の対立

ジロンド派内閣が成立

 

オーストリアに宣戦:1792年

・オーストリア・プロイセン連合軍に苦戦

→フランス各地から集まった義勇軍を中心に態勢を立て直す

 

8月10日事件:1792年

・義勇軍が国王一家の宮殿をおそう

王権を停止


4.国民公会期:1792年9月~95年10月

・フランス初の男性普通選挙を実施

立法議会に代わり国民公会が成立

 

①第一共和政:1792~1804年

・国民公会が王政の廃止共和政の樹立を宣言

 ※ブルボン朝の断絶

ジャコバン派の台頭(急進共和主義)

 →1793年、ルイ16世を処刑

 

第1回対仏大同盟の結成

イギリス首相ピットが各国に呼びかけ

→フランスは全ヨーロ1ッパの敵となった

 

③ジャコバン派(山岳派)政権の独裁

ロベスピエール恐怖政治を主導、反対派を弾圧

 ※公安委員会を拠点に強大な権限をにぎる

1793年憲法の制定:男性普通選挙など

 

・1794年、テルミドール9日のクーデタ

 →ロベスピエール処刑、恐怖政治の終了


漢字の読み方

球戯場の誓い:きゅうぎじょうのちかい

牢獄:ろうごく

義勇軍:ぎゆうぐん