歴史5-5① 尊王攘夷運動、薩長同盟(まとめ)

ポイント解説

開国後の混乱のなか、尊王攘夷運動が高まりました。幕府の大老井伊直弼安政の大獄で政治批判を弾圧しますが、桜田門外の変で暗殺されてしまいました。その攘夷運動も薩摩藩長州藩ともに不可能だとさとり、今度は倒幕運動に向かうことになります。


1.尊王攘夷運動の高まり

・天皇を尊び(尊王)、外国を排除(攘夷)しようとする動きのこと

 

安政の大獄:1858~59年

大老井伊直弼が、幕府に反対する大名・武士・公家らを処罰

吉田松陰(長州藩松下村塾出身)らを処刑

 

桜田門外の変:1860年

井伊直弼が暗殺される

→幕府の権威はますます落ちた


2.攘夷の挫折

薩摩藩

ⅰ.生麦事件:1862年

・大名行列を横切ったイギリス人を殺害

 

ⅱ.薩英戦争:1863年

イギリスの攻撃を受ける(生麦事件の報復)

・薩摩藩は実力差を認識し、攘夷をあきらめる

※その後、イギリスに接近

 

長州藩

ⅰ.攘夷の実行

・下関海峡(関門海峡)を横切る外国船を砲撃

 

ⅱ.四国艦隊下関砲撃事件:1864年

アメリカオランダイギリスフランスの攻撃を受け、下関砲台を占領される(前年の上位の実行の報復)

・長州藩は実力差を認識し、攘夷をあきらめる


3.倒幕へ

①認識の変化

薩摩藩・長州藩とも攘夷の不可能をさとる

→幕府をたおして新しい政府を樹立することを考える

 

薩長同盟の成立:1866年

土佐藩出身の坂本龍馬らの仲介で成立

 

※中心人物

薩摩藩西郷隆盛大久保利通

長州藩高杉晋作木戸孝允


4.民衆の動き

・「世直し」を期待する農民の一揆が全国で多発

・江戸や大阪で打ちこわしの増加

ええじゃないかと人々が熱狂するさわぎが流行 


漢字の読み方(タップで開きます) ・尊王攘夷運動:そんのうじょういうんどう
・安政の大獄:あんせいのたいごく
・井伊直弼:いいなおすけ
・吉田松陰:よしだしょういん
・松下村塾:しょうかそんじゅく
・桜田門外の変:さくらだもんがいのへん
・薩摩藩:さつまはん
・生麦事件:なまむぎじけん
 ※生麦という場所で起こった
・薩英戦争:さつえいせんそう
・長州藩:ちょうしゅうはん
・下関海峡:しものせきかいきょう
・関門海峡:かんもんかいきょう
・四国艦隊下関砲撃事件:しこくかんたいしものせきほうげきじけん
・薩長同盟:さっちょうどうめい
・土佐藩:とさはん
・坂本龍馬:さかもとりょうま
 ※竜馬でもOK
・西郷隆盛:さいごうたかもり
・大久保利通:おおくぼとしみち
・高杉晋作:たかすぎしんさく
・木戸孝允:きどたかよし
・世直し:よなおし