1.市場経済のしくみ
①市場と価格
商品が売買される場のことを、市場といいます(実際に取り引きが行われる場所があるとは限りません)。そして、その市場で売買されている商品の価格のことを、市場価格といいます。市場価格は、需要と供給の関係によって変化します。需要とは、買い手が欲しいと思うこと(あるいはその量)、供給とは、売り手が売りたいと思うこと(あるいはその量)のことです。
②需要と供給による価格の変動
需要量が供給量より多いときは、価格は上昇(上がる)します。これは、オークションと同様で、たくさんの欲しい人が少ない商品をうばい合うことになるので、欲しい人は「高くても買いたい」となるからです。
反対に、需要量が供給量より少ないときは、価格は下落(下がる)します。スーパーなどで閉店時間が近くなると、お弁当が安くなるのと同じです。お店は、安くしてでも売りたい、売れ残るよりはマシだということで、価格を下げるのですね。
需要量と供給量が同じときの市場価格のことを、特に均衡価格といいます。この場合、売れ残りも品不足も起こらず、価格も変わりません。
③価格による需要・供給の変動
価格が下がると需要量は増加(増える)、供給量は減少(減る)します。
逆に、価格が上がると需要量は減少(減る)、供給量は増加(増える)します。
2.需要と供給で決まらない価格
コンビニ(コンビニエンスストア)にはさまざまな企業が参入していますが、数十年前に比べると、その数は大きく減りました。現在は、セブンイレブン、ファミリーマート、ローソンなど、少数の企業(コンビニチェーン)が、たくさんの店舗を出店しています。
このように、競争の結果、勝ち残った少数の企業が市場を支配するようになるわけですが、1つまたは少数の企業が市場を支配している状態を独占といいます。(少数の企業が市場を支配している状態を寡占といいます)。
このような独占の状態においては、需要が少なくなっても価格は下がりにくくなります。競争相手が少なく、価格競争が起こりにくいため。企業側が「イヤなら買うな」と強気に出られるからです。このように独占企業が一方的に設定する価格のことを、独占価格といいます。
政府は、市場の健全な競争をうながし、消費者の不利益を防ぐために独占禁止法を制定しています。そして、公正取引委員会という機関がこの法律を運用し、不公正な取引がないか市場を監視しています。
このほかにも、需要と供給で決まらない価格として、公共料金があります。例えば、電気・ガス・水道料金、鉄道運賃・乗合バス運賃、郵便料金などです。これらを市場に任せてしまうと、価格が大きく変動した場合に国民生活に与える影響が大きいため、国や地方公共団体が、需要や供給に関係なく適切な価格になるよう管理しているのです。
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