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政治経済:労働者の権利(概略)

1.労働者保護の国際機関

国際労働機関ILO

・1919年設立。国際連盟の専門機関となる

・世界の労働者の労働条件と賃金水準の改善をめざす

・第二次世界大戦後は、国際連合の専門機関として活動

 

2.日本の労働関係の近代化

①労働三権:日本国憲法第28条

団結権労働組合を結成する権利

団体交渉権…使用者(企業側)と対等な立場で労働条件について交渉する権利

団体行動権争議権)…要求が認められない時に、ストライキなどを行う権利

 ※公務員には制限あり。特に争議権は全面的に認められていない

 

労働三法の制定(1945~1947年)

労働組合法労働関係調整法労働基準法

 

ナショナルセンター

・労働組合の全国組織のこと

※ナショナルセンターの例

・1950年、総評(日本労働組合総評議会)結成

・1989年、連合(日本労働組合総連合会)結成

 

 

3.労働三法について詳しく

①労働組合法の規定

労働協約…労働組合と使用者の間で、労働条件などについて結んだ文書による協定

不当労働行為…労働三権の行使に対する使用者の干渉や妨害行為。労働組合法で禁止

 

②労働関係調整法の規定

労働委員会…労使双方の自主的な解決が困難な労働争議の調整にあたる機関

 →斡旋・調停・仲裁を行う。仲裁は法的拘束力あり

 

③労働基準法の規定

・法定労働時間:労働時間は1日8時間以内、週40時間以内

裁量労働制(みなし労働時間制):改正により導入

 …労働時間ではなく成果で評価する。実際の労働時間に関係なく、一定の時間を働いたとみなす

 

4.労働に関するその他の法律や制度

労働契約法:2007年制定

 …労働基準法に明記のない労働契約や解雇についてルールを明記

 ※それまでは判例に頼ってきたが、法律として明文化

 

5.日本型雇用慣行の変化

※現在はくずれてきている

日本の三大雇用慣行(日本的経営) 

終身雇用制

・就職した会社に定年まで雇用される慣行

 

年功序列型賃金

・勤続年数や年齢に応じて賃金が上がっていくこと

 

企業別労働組合

・同一企業の従業員によって組織される労働組合

※欧米は産業別労働組合、職業別(職能別)労働組合が中心

 

 

6.労働者に関するその他の用語

労働者派遣法1985年制定

→1999年の改正で対象業務が原則自由化

(2003年の改正で製造業も可)

 

ワーキングプア…働く貧困層のこと。就労しているが所得が低い

サービス残業…手当の支払われない残業。違法

ワーク・ライフ・バランス…仕事と生活の両立のこと

 

ワークシェアリング…労働者1人あたりの労働時間を短縮し、多くの人が働けるようにすること。失業率の低下につながる

※ヨーロッパの国などで広く導入

 

過労死…長時間・過重労働の疲労やストレスで、突然死または自殺により死亡すること

 

男女雇用機会均等法:1985年制定

 …募集・採用・昇進などで男女を平等に扱うよう事業主に努力を求めた

 →1997年改正:努力義務から禁止措置に

 

育児・介護休業法:1995年制定

 …企業は従業員の育児・介護のための休業を認める