Ⅰ.自由権(自由権的基本権)の概略
・国家権力の干渉を排除し、各人の自由が保障される権利
・自由権の分類:大きく3つある
1.精神的自由権(精神の自由)
2.経済的自由権(経済の自由)
3.人身の自由(身体の自由)
※教科書等によって表記が異なるので注意
Ⅱ.自由権のまとめ
1.精神的自由権(精神の自由)
①思想・良心の自由:憲19条
・個人の内面的な精神活動を保障
②信教の自由:憲20条
・宗教活動・信仰選択の自由
・国による宗教行事への参加の強制禁止
※政教分離の原則
・国家の宗教的中立の原則
→国家は特定の宗教を援助してはならない
③表現の自由:憲21条
・個人が外部に自己の思想・主張・感情などを表現する自由
例)言論・集会・出版・結社など
※通信の秘密
・検閲の禁止
→公権力が通信(電話・手紙など)の内容を調べることを禁止
④学問の自由:憲23条
・どのような学問分野であっても、研究しその成果を発表する自由
2.経済的自由権(経済の自由)
①居住・移転の自由、職業選択の自由:憲22条①
・どこに住んでもよい
・自由に引っ越しもできる
・自由に職業を選ぶことができる
②財産権の不可侵:憲29条
・自分の財産をもち、自由に処分できる権利
・財産を不当に没収されない
3.人身の自由(身体の自由)
①奴隷的拘束および苦役からの自由:憲18条
・人格を無視した身体の拘束の禁止
・犯罪により処罰される場合を除き、いかなる苦役も受けない
②法定手続きの保障(適正手続きの保障):憲31条
・刑罰を科すには法律に定められた手続きが必要
③罪刑法定主義:憲31条
・犯罪行為およびその犯罪に対する刑罰は法律の規定が必要
④令状主義の原則:憲33・35条
・不当な逮捕等からの自由
・現行犯の場合を除き、逮捕には司法官憲(裁判官)の発する令状が必要
⑤弁護人を依頼する権利:憲34条、憲37条③
⑥拷問・残虐な刑罰の禁止:憲36条
⑦公平・迅速な公開裁判を受ける権利:憲37条①
※密室での裁判は人権侵害のおそれあり
⑧黙秘権:憲38条
・自分に不利な供述をしなくてもよい権利
⑨自白のみによる処罰の禁止:憲38条
漢字の読み方(タップで開きます)
・検閲:けんえつ・奴隷的拘束:どれいてきこうそく
・苦役:くえき
・拷問:ごうもん
・残虐:ざんぎゃく
・迅速:じんそく