上の図解をふまえて、この単元の要点を文章で解説します。
1.
アダム・スミスの思想に基づいて、自由放任主義(レッセ・フェール)を採用。資本主義は放っておけば(小さな政府)、神の「見えざる手」に導かれてうまくいく、とのことだったが…。
→やがて問題点が発生(貧富の格差、恐慌)
2.
何事もそうですが、問題への対応は大きく2つ。
①資本主義を修正・改善する(資本主義路線の継続)。
②資本主義そのものを否定して新しいシステムをつくる(社会主義路線)。
→①を採用したのがケインズ。自由放任だとダメだから、政府はある程度介入しましょう(大きな政府)。不景気なら公共事業をやりましょう(有効需要の創出)。こうして修正資本主義(混合経済体制)が成立
→②を採用したのが、マルクス。資本主義を全否定して、社会主義を主張。あえて言うなら、「究極の大きな政府」
※しかし、①②とも問題が発生したので、また対応が必要になった(3.に続く)
3A.資本主義路線
フリードマンが新自由主義を主張。修正資本主義をやめて、アダム・スミスの「小さな政府」に戻そう、ということ。今の「格差社会」もそういう背景がある。
3B.社会主義路線
社会主義も問題が生じたので、社会主義を①修正するか、②否定するかで対応が分かれた。
①修正
中国は社会主義を修正する路線。社会主義の枠内で、改革・開放政策を採用。これを、社会主義市場経済という。
②否定
・ソ連、東欧諸国など、かつての社会主義国家のほとんどはこちら。社会主義を放棄して市場経済へ移行した(資本主義化)