1.徳川家康の江戸入城
・1590年、北条氏滅亡後、豊臣秀吉の命により江戸に移る
・豊臣政権下では五大老筆頭、250万石の大大名であった
2.関ヶ原の戦い
①開戦
・1598年、豊臣秀吉が死去
→徳川家康(東軍総大将)と五奉行の石田三成(西軍)の対立
→1600年、関ヶ原の戦いで激突
→東軍の勝利
※西軍の総大将は毛利輝元(参陣せず)
②戦後処理
ⅰ.西軍諸大名
・処刑:石田三成、小西行長
・改易(領地没収):西軍諸大名93家・506万石
※宇喜多秀家は改易後、八丈島に配流
・減封(領地削減):毛利輝元(120万石→37万石)、上杉景勝(120万石→30万石)
ⅱ.東軍諸大名
・西軍から没収した領地を配分し、譜代大名の創出へ
→幕府要職への就任など、幕藩体制の基礎となる
3.江戸幕府の成立
・1603年、徳川家康が後陽成天皇により征夷大将軍に任命され、江戸幕府を開いた
・各国に国絵図と郷帳の作成・提出を命じる
・1605年、家康の三男・徳川秀忠が2代将軍になる
→家康は駿府に引退。大御所(前将軍のこと)とよばれ実権を握り続ける
4.豊臣氏の滅亡
※江戸幕府成立後の豊臣氏
・豊臣秀頼:秀吉の子。摂津・河内・和泉60万石の一大名として存続
②大坂の役
ⅰ.開戦の口実
・方広寺鐘銘問題:豊臣家が再建した京都方広寺の鐘銘について、徳川家康が問題視
※鐘に刻まれた「国家安康」の文言を「家康を切り裂いている」などと追及
ⅱ.大坂冬の陣:1614年
・和議が結ばれる
ⅲ.大坂夏の陣:1615年
・豊臣秀頼の自害。豊臣家の滅亡
→元和偃武とよばれる平和な時代へ
5.大名・朝廷の統制
①大名の統制
ⅰ.一国一城令:1615年
・大名の居城を1つに限らせる。領内にあるその他の城は全て破却
ⅱ.武家諸法度(元和令):1615年
・家康が南禅寺の金地院崇伝に起草させ、2代将軍徳川秀忠の名で発布
※以後、各将軍が武家諸法度を発布
→3代家光:寛永令、4代家綱:寛文令、5代綱吉:天和令
ⅲ.軍役
・各大名が主君である将軍に対して負う軍事的な負担
→石高に応じて負担させた
※普請役(お手伝い普請):平時の軍役として、城の修築や河川の工事などを負担
参勤交代も軍役
②朝廷の統制
ⅰ.禁中並公家諸法度:1615年
・金地院崇伝が起草
・内容:天皇は学問を第一とする、など
ⅱ.京都所司代
・幕府の役職。朝廷の監視など
ⅲ.武家伝奏
・公家から2名選出
・朝廷と幕府の連絡係
③有力大名の改易
ⅰ.福島正則
・1619年、2代秀忠のとき、武家諸法度違反を理由に改易(安芸の広島城を無断で修理)
※福島正則は豊臣秀吉の武将の1人で、石田三成と対立。関ヶ原の戦いでは東軍で参陣
ⅱ.加藤氏
・1632年、3代家光のとき、肥後の加藤忠広を改易
※加藤清正(豊臣秀吉の武将)の子
6.徳川家光の政治
※3代将軍(在職1623~51年)
・1632年、肥後の加藤氏を改易
・1635年、武家諸法度寛永令の発布:参勤交代の制度化
→大名は在府(江戸)1年・在国1年、大名の妻子は人質として江戸に在住
・1637年、島原の乱の発生
→1639年、ポルトガル船の来航を禁止
7.幕藩体制
・強力な領主権を持つ将軍と大名(幕府と藩)が土地と人民を統治する支配体制
①大名の種類
・大名…将軍と主従関係を結んだ1万石以上の武士
ⅰ.親藩
・徳川氏の一門
・親藩のなかでも三家が最高の格式(将軍家の血筋が絶えた場合、将軍を輩出)
・三家:尾張藩、紀伊藩、水戸藩
※三家はいずれも家康の子が祖となった
ⅱ.譜代大名
・三河以来の家臣(家康が三河の一大名の時代からの家臣)が大名に取り立てられたもの
・石高は少ないが全国の要地に配置
・幕府の要職にも譜代大名から就任
・井伊家の彦根藩が最高の35万石
ⅲ.外様大名
・関ヶ原の戦いの頃から徳川氏に従った大名
・石高は多いが遠隔地に配置。幕府の政治には参加できない
・前田家の加賀藩(約100万石で最高)
・島津家の薩摩藩、伊達家の仙台藩など
漢字の読み方
・関ヶ原の戦い:せきがはらのたたかい
・石田三成:いしだみつなり
・毛利輝元:もうりてるもと
・小西行長:こにしゆきなが
・改易:かいえき
・宇喜多秀家:うきたひでいえ
・八丈島:はちじょうじま
・減封:げんぽう
・上杉景勝:うえすぎかげかつ
・後陽成天皇:ごようぜいてんのう
・国絵図:くにえず
・郷帳:ごうちょう
・徳川秀忠:とくがわひでただ
・駿府:すんぷ
・大御所:おおごしょ
・豊臣秀頼:とよとみひでより
・大坂の役:おおさかのえき
・方広寺鐘銘問題:ほうこうじしょうめいもんだい
・国家安康:こっかあんこう
・大坂冬の陣:おおさかふゆのじん
・大坂夏の陣:おおさかなつのじん
・元和偃武:げんなえんぶ
・一国一城令:いっこくいちじょうれい
・武家諸法度:ぶけしょはっと
・元和令:げんなれい1615年
・南禅寺:なんぜんじ
・金地院崇伝:こんちいんすうでん
・寛永令:かんえいれい
・家綱:いえつな
・寛文令:かんぶんれい
・綱吉:つなよし
・天和令:てんなれい
・軍役:ぐんやく
・普請役:ふしんやく
・お手伝い普請:おてつだいぶしん
・禁中並公家諸法度:きんちゅうならびにくげしょはっと
・京都所司代:きょうとしょしだい
・武家伝奏:ぶけてんそう
・福島正則:ふくしままさのり
・加藤忠弘:たとうただひろ
・加藤清正:かとうきよまさ
・参勤交代:さんきんこうたい
・在府:ざいふ
・大名:だいみょう
・親藩:しんぱん
・三家:さんけ
・尾張藩:おわりはん
・紀伊藩:きいはん
・水戸藩:みとはん
・譜代大名:ふだいだいみょう
・井伊家:いいけ
・彦根藩:ひこねはん
・外様大名:とざまだいみょう
・加賀藩:かがはん
・薩摩藩:さつまはん