日:鎌倉時代の武士の生活

1.武士の生活

を構えて生活

 ⇒周囲に堀・溝・塀をめぐらせる

・直営地:門田正作、用作など


2.惣領制

①特徴

・武家社会における一族の結合体制

・一族の血縁的統制を柱とし、分家は宗家(本家)を首長とする

・戦時になると一門(一家)は団結して行動した

 

総領(家督)

・一族の宗家(本家)の長

 ※嫡子…家督(家長権)を相続する者

 

庶子

・嫡子以外の子

 

④相続

・所領の相続は分割相続が原則

・女性も相続の対象

 ※女性の御家人・地頭もいた

 

⑤変容

分割相続のくり返しにより所領の細分化が問題に

 ⇒鎌倉時代末期には単独相続に移行


3.武芸の重視

①騎射三物

以下の3種の馬上弓技

ⅰ.流鏑馬

・走っている馬から、一定間隔に置いた3つの的を射る

 

ⅱ.笠懸

・馬上から笠や板を的にして射る

 

ⅲ.犬追物

・放された犬を馬上から射る

 

②その他

巻狩…広い野原で行われる大規模な狩猟


4.武士の道徳と武士道の起源

・武士の道徳は、「武家のならい」「兵の道」「弓馬の道」などとよばれた

・質素な生活を重視


5.武士の土地支配

①多くの荘園は二重支配の状況

ⅰ.地頭

幕府が任命

 

ⅱ.荘官

・荘園領主が任命

 

※1つの荘園に2つの支配者が存在する

地頭と荘園領主の対立が発生

 

②解決法

ⅰ.地頭請

・荘園領主が荘園の管理を地頭に全て任せ一定の年貢納入を請け負わせる制度

※荘園領主は「年貢さえ納めてくれればいいよ」という考え方

 

ⅱ.下地中分

・土地を折半して土地や人を支配し、互いに干渉しない

例)伯耆国東郷荘下地中分の絵図が残っている


漢字の読み方(タップで開きます) ・館:やかた(たち)
・堀:ほり
・溝:みぞ
・塀:へい
・佃:つくだ
・門田:かどた
・正作:しょうさく
・用作:ようさく

・惣領制:そうりょうせい
・分家:ぶんけ
・宗家:そうけ
・本家:ほんけ
・一門:いちもん
・一家:いっか
・総領:そうりょう
・家督:かとく
・嫡子:ちゃくし
・家長権:かちょうけん
・庶子:しょし
・分割相続:ぶんかつそうぞく
・単独相続:たんどくそうぞく

・騎射三物:きしゃみつもの
・流鏑馬:やぶさめ
・笠懸:かさがけ
・犬追物:いぬおうもの
・巻狩:まきがり

・武家:ぶけ
・兵の道:つわもののみち
・弓馬の道:きゅうばのみち
・荘官:しょうかん
・地頭請:じとううけ
・下地中分:したじちゅうぶん
・伯耆国:ほうきのくに
 ※現在の鳥取県の中西部
・東郷荘:とうごうのしょう