日本史:室町時代(概略)③

Ⅲ.室町時代の流れ・続き

6.戦国時代の始まり

戦国時代の特徴

応仁の乱をきっかけに、戦乱が全国に拡大

下剋上の風潮:下の者が実力で上の者をしのぐこと

 ※各種の一揆も発生:既存の権威への対抗

戦国大名の登場

 

②さまざまな一揆

ⅰ.山城の国一揆:1485年

畠山を追放

・8年間にわたる南山城の自治を実現 

 

ⅱ.加賀の一向一揆:1488年

・加賀の一向宗(浄土真宗)門徒が国人と結び、守護の富樫政親を滅ぼす

 ※国人…地元で力をつけていた武士。守護に従う者、反抗する者がそれぞれいた

・背景:蓮如(兼寿)の布教による勢力の拡大

・約100年にわたる自治を実現

→1580年、織田信長に制圧される

 

③幕府権威の失墜

下剋上により政治の実権が次々と移り変わる

→管領細川氏から三好長慶、さらに松永久秀

※松永久秀は13代将軍足利義輝を殺害

 

④おもな戦国大名

ⅰ.北条早雲(伊勢宗瑞)

・足利政知から堀越公方を継いだ茶々丸を追放(のち自害)、伊豆をうばう

→さらに北条氏は相模に進出し、小田原を本拠とする

・以後、子・北条氏綱、孫・北条氏康が継ぎ、関東の大半を支配

 

ⅱ.武田信玄(武田晴信)

・鎌倉時代から甲斐の守護。甲斐・信濃を領有

上杉謙信との5回に渡る戦いが有名(川中島の戦い)

 

ⅲ.今川義元

・駿河・遠江・三河を領有

・1560年、桶狭間の戦い織田信長に討たれて以後、今川氏は衰退

 

ⅳ.毛利元就

・安芸の国人から下剋上で台頭

・下剋上:大内義隆陶晴賢毛利元就の順に支配者が移る

・山陰地方の尼子氏と抗争

 

ⅴ.長宗我部元親

・土佐の豪族から身を起こし、四国全土を領有

 

ⅵ.伊達政宗

・戦国時代末期に奥州を平定

 

分国法(家法)の制定

ⅰ.『朝倉孝景条々』

・越前を支配した朝倉氏が制定

・家臣団の城下集住の規定など

 

ⅱ.『今川仮名目録

・今川氏親とその子・今川義元が制定

 

ⅲ.『甲州法度之次第(信玄家法)』

武田信玄が制定

・「喧嘩両成敗」の規定など

 

ⅳ.『塵芥集』

・伊達氏が制定

・現存する分国法の中で条文が最多の171条

  

⑥戦国大名の家臣団と領国経営

ⅰ.貫高

・国人や地侍の収入額をに換算した基準

 

ⅱ.貫高制

・戦国大名が国人や地侍に対し、貫高に見合った一定の軍役を課した

 

ⅲ.寄親・寄子制

・地侍など下級家臣は、有力な上級家臣に預けられる形で組織化された

足軽(雑兵)の鉄砲や長槍を使用した集団戦が可能となった

 

ⅳ.検地

土地を調査し、農民の耕作する土地の面積と年貢の量などを検地帳に記録

※形式は指出検地:家臣や名主が支配地・耕作地の面積、収入額を自己申告

 

ⅴ.城下町の建設

・領国の政治・経済・文化の中心となる

例:北条氏の小田原、大内氏の山口、島津氏の鹿児島


7.ヨーロッパ人の来航

鉄砲の伝来:1543年

ポルトガル人を乗せた中国船種子島に漂着

 

キリスト教の伝来:1549年

イエズス会(耶蘇会)の宣教師フランシスコ・ザビエルが、鹿児島に上陸して伝わる

コレジオ…宣教師の養成学校

セミナリオ…神学校

キリシタン大名の出現:洗礼を受けた戦国大名

 

南蛮貿易

南蛮人(ポルトガル人スペイン人)との貿易

・輸出品:、硫黄など

・輸入品:中国産の生糸鉄砲など

 

天正遣欧使節

・1582年、大友義鎮大村純忠有馬晴信の3大名が派遣

 ※イタリア人宣教師ヴァリニャーニのすすめ

・派遣された4人の少年伊東マンショ、千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルチノ 


漢字の読み方(タップで開きます) 6.戦国時代の始まり
下剋上:げこくじょう
山城の国一揆:やましろのくにいっき
・南山城:みなみやましろ
加賀の一向一揆:かがのいっこういっき
富樫政親:とがしまさちか
蓮如(兼寿):れんにょ(けんじゅ)
・失墜:しっつい
・三好長慶:みよしながよし
・松永久秀:まつながひさひで
・足利義輝:あしかがよしてる
・北条早雲:ほうじょうそううん
・伊勢宗瑞:いせそうずい
・茶々丸:ちゃちゃまる
・北条氏綱:ほうじょううじつな
・北条氏康:ほうじょううじやす
武田信玄(武田晴信):たけだしんげん(たけだはるのぶ)
・甲斐・信濃:かい・しなの
・上杉謙信:うえすぎけんしん
・川中島の戦い:かわなかじまのたたかい
今川義元:いまがわよしもと
・駿河:するが
・遠江:とおとうみ
・三河:みかわ
桶狭間の戦い:おけはざまのたたかい
毛利元就:もうりもとなり
・安芸:あき
・国人:こくじん
・大内義隆:おおうちよしたか
陶晴賢:すえはるかた
・尼子氏:あまごし
・長宗我部元親:ちょうそかべもとちか
伊達政宗:だてまさむね
分国法(家法):ぶんこくほう(かほう)
・朝倉孝景条々:あさくらたかかげじょうじょう
今川仮名目録:いまがわかなもくろく
・今川氏親:いまがわうじちか
甲州法度之次第:こうしゅうはっとのしだい
・喧嘩両成敗:けんかりょうせいばい
・塵芥集:じんかいしゅう
貫高:かんだか
・銭:ぜに
・寄親・寄子制:よりおや・よりこせい
・地侍:じざむらい
足軽(雑兵):あしがる(ぞうひょう)
・長槍:ながやり
指出検地:さしだしけんち

7.ヨーロッパ人の来航
種子島:たねがしま
・耶蘇会:やそかい
南蛮貿易:なんばんぼうえき
天正遣欧使節:てんしょうけんおうしせつ
・大友義鎮:おおともよししげ
・大村純忠:おおむらすみただ
・有馬晴信:ありまはるのぶ
・伊東マンショ:いとうまんしょ
・千々石ミゲル:ちぢわみげる
・中浦ジュリアン:なかうらじゅりあん
・原マルチノ:はらまるちの

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1.鎌倉時代
 ・鎌倉時代-1
 ・鎌倉時代-2

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3.室町時代
 ・室町時代-1
 ・室町時代-2
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