日本史:江戸時代(概略)④

Ⅲ.江戸時代の流れ・続き

 

5)幕藩体制の動揺:11~12代将軍(1787~1843年)

①寛政の改革:1787~1793年

・1787年、老中に白河藩主松平定信、11代将軍に徳川家斉が就任

囲米…諸藩に1万石につき50石の米を貯蔵させた

 →各地に社倉義倉を建て、穀物を備蓄させた

旧里帰農令…生業を持たない者に資金を与え、農村に帰ることを奨励

・石川島に人足寄場を設置:無宿人を収容し、技術を習得させた

七分積立…町入用節約分の7割を積み立てさせる制度

棄捐令…旗本・御家人の救済のため発令。札差からの6年以前の借金を帳消し

寛政異学の禁…湯島の聖堂学問所では朱子学以外の講義や研究を禁止

 

・出版統制

洒落本作者の山東京伝を処罰

 黄表紙作者の恋川春町を処罰

 

尊号一件光格天皇が実父閑院宮典仁親王へ太上天皇の尊号を宣下することを希望

 →松平定信は拒否、武家伝奏ら公家を処罰

 →朝幕関係は不安定化

 

②鎖国の動揺:諸外国の接近

ⅰ.ロシアの接近と幕府の対応

・1792年、ラクスマン根室に来航。漂流民大黒屋光太夫を送還 

 

・1804年、レザノフ長崎に来航:幕府は通商を拒否

 

・1811年、ゴローウニン事:ロシアの軍人ゴローウニンを国後島で捕える

 →翌年、ロシアは淡路の商人高田屋嘉兵衛を抑留

 →1813年に解決

 

 

ⅱ.イギリス

・1808年、フェートン号事件:イギリス船がオランダ船を追い長崎に侵入・狼藉

 →長崎奉行松平康英が責任をとり切腹

 

ⅲ.幕府の政策転換:強硬策へ

・1825年、異国船打払令:接近する外国船の撃退を命じた

 

・1828年、シーボルト事件:オランダ商館医シーボルトが日本地図を所持

 →国外追放処分。幕府天文方の高橋景保も処罰

 

ⅳ.アメリカ

・1837年、モリソン号事件

 …漂流民の送還を理由に通商目的で来航。幕府は異国船打払令に基づき撃退

 →渡辺崋山高野長英が幕府を批判

 →蛮社の獄:1839年、渡辺崋山高野長英を処罰

 

 ※渡辺崋山の著書:『慎機論』、 高野長英の著書:『戊戌夢物語

 

 

ⅴ.懐柔策への転換

・1840年、アヘン戦争:清とイギリスの戦争

 →1842年、南京条約の締結

 

・1842年、(天保の)薪水給与令:漂着した外国船に燃料・食糧を与えることとした

  ※アヘン戦争での清の敗北を知り、幕府は方針を転換

 

 

③文化・文政時代

ⅰ.治安維持

・1805年、関東取締出役の設置:関八州を巡察、領主の区別なく逮捕が可能

・1827年、寄場組合改革組合村)の設置

 →関東取締出役の配下に置かれ、地域の治安維持等にあたる

 

ⅱ.天保の飢饉(1833~39年)と混乱

大塩の:1837年、大坂町奉行所の元与力で陽明学者大塩平八郎が反乱

 ※大塩は隠退して家塾洗心洞を主宰、門弟に陽明学を講義

 

生田万の乱:「大塩門弟」と称して越後柏崎で代官所を襲撃

 

 

天保の改革

・老中水野忠邦による改革:1841~1843年

・出版統制:人情本作者為永春水合巻作者柳亭種彦の処罰

株仲間解散令物価引き下げのため、十組問屋などの株仲間を解散させる

  ※逆効果に終わる →1851年、株仲間再興令

人返しの法:百姓の出稼ぎ禁止、江戸流入の貧民を強制的に帰らせる

棄捐令:旗本・御家人の救済が目る

三方領知替え:川越藩庄内藩(越後)長岡藩。領民の反対で撤回

上知令:江戸・大坂周辺の領地約50万石分の直轄化。大名・旗本の反対で撤回

 

 

⑤雄藩の台頭

ⅰ.鹿児島藩(薩摩藩)

・下級武士調所広郷を登用(1827年~)

 →財政再建:黒砂糖の専売制強化、密貿易、借金の事実上棚上げ

・藩主島津斉彬反射炉の築造、造船所やガラス製造工場の建設

 

ⅱ.萩藩(長州藩)

・藩士村田清風が借金を整理:37年賦返済

紙・蠟の専売制を改革

・下関に越荷方を設置:委託販売で利益をあげた

 

ⅲ.佐賀藩(肥前藩)

・藩主鍋島直正による改革

均田制の実施:本百姓体制の再建

・日本で最初の反射炉を完成

 

ⅳ.高知藩(土佐藩)

・藩主山内豊信が中下級武士の登用で改革

 

⑥幕府の改革

・代官江川太郎左衛門坦庵)が伊豆韮山反射炉を建設

 


漢字の読み方 

 

・寛政の改革:かんせいのかいかく

松平定信:まつだいらさだのぶ

徳川家斉:とくがわいえなり

囲米:かこいまい

・社倉:しゃそう

・義倉:ぎそう

旧里帰農令:きゅうりきのうれい

・人足寄場:にんそくよせば

七分積立:しちぶつみきん

棄捐令:きえんれい

・札差:ふださし

寛政異学の禁:かんせいいがくのきん

 

・洒落本:しゃれぼん

山東京伝:さんとうきょうでん

・黄表紙:きびょうし

恋川春町:こいかわはるまち

・尊号一件:そんごういっけん

光格天皇:こうかくてんのう

・閑院宮典仁親王:かんいんのみやすけひとしんのう

 

大黒屋光太夫:だいこくやこうだゆう

 

高田屋嘉兵衛:たかだやかへえ

・松平康英:まつだいらやすひで

異国船打払令:いこくせんうちはらいれい

高橋景保:たかはしかげやす

渡辺崋山:わたなべかざん

高野長英:たかのちょうえい

蛮社の獄:ばんしゃのごく

慎機論:しんきろん

戊戌夢物語:ぼじゅつゆめものがたり

薪水給与令:しんすいきゅうよれい

 

関東取締出役:かんとうとりしまりしゅつやく(かんとうとりしまりでやく)

寄場組合:よせばくみあい

大塩平八郎:おおしおへいはちろう

・洗心洞:せんしんどう

生田万:いくたよろず

 

天保の改革:てんぽうのかいかく

水野忠邦:みずのただくに

・人情本:にんじょうぼん

為永春水:ためながしゅんすい

・合巻:ごうかん

柳亭種彦:りゅうていたねひこ

三方領知替え:さんぽうりょうちがえ

上知令:あげちれい(じょうちれい)

 

調所広郷:ずしょひろさと

島津斉彬:しまづなりあきら

村田清風:むらたせいふう

・蠟:ろう

越荷方:こしにかた

鍋島直正:なべしまなおまさ

均田制:きんでんせい

山内豊信:やまうちよとしげ

 

・江川太郎左衛門(坦庵):えがわたろうざえもん(たんあん)

・伊豆韮山:いずにらやま

 


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