1.青年期
①青年期の特徴
ⅰ.青年期とは
・子どもと大人の中間にあたる時期
・14~15歳頃から24~25歳頃までの若者
・大人になるまでの準備期間
・自我を形成・確立するための期間
※自我…他者と区別された自分自身のこと
ⅱ.第二次性徴
・性ホルモンの活発化による身体の急激な変化
→男性らしい・女性らしい身体になる
ⅲ.心理的離乳
・それまで依存していた大人から精神的に自立すること
※自我を強く意識することによる
②青年期の登場
・18世紀後半~20世紀初頭
・近代産業の発展 →修学など準備期間が必要
※見た目は大人だが社会的には一人前ではない時期
※近代以前
・青年期は存在しない
・通過儀礼(イニシエーション)により、子どもはすぐに大人の一員になった
2.おもな人物と主張・学説
①ルソー
主著『エミール』
→「われわれはいわば二度生まれる。一度目は生存(存在)するため、二度目は生きるために」
・第二の誕生:青年期の自我意識のめざめを指す
②レヴィン
ⅰ.マージナルマン(境界人、周辺人)
・レヴィンが青年期をさして言った言葉
・青年期は精神的に子どもと大人のどちらにも属すことができない
ⅱ.葛藤(コンフリクト)
・2つの相反する欲求が対立し、選択が困難になること
※両方を同時に満たすことができない
以下の3種類
・接近-接近:どちらも望む
・回避-回避:どちらも避けたい
・接近-回避:片方を望み、もう片方を避けたい
③エリクソン
ⅰ.ライフサイクル
・人の一生を8段階に分け、各段階における発達課題を示した
→青年期の発達課題:アイデンティティの確立
※アイデンティティ…自分が自分である、これが自分だという自覚。自我同一性ともいう
ⅱ.(心理・社会的)モラトリアム
・青年期は大人の責任や義務を猶予・免除されている期間
※モラトリアム人間…就職を先延ばしにして、モラトリアム(猶予期間)にとどまろうとする青年のこと
3.自我と自己
①自我(ego)
・主観的にとらえた自分
・自分が思っている自分のこと
②自己(self)
・客観的にとらえた自分
・他人から見た自分
※アイデンティティ(自我同一性、自己同一性):自我と自己が重なり合ったもの
→主観的な自分と客観的な自分が同じになる=アイデンティティの確立
漢字の読み方
・葛藤:かっとう
・猶予:ゆうよ