中学地理:日本の工業(しっかり)


0.工業の分類

※工業鉱業とともに第二次産業に分類

(原材料を加工して製品をつくり出す産業)

 

軽工業

・製造技術が簡単で、日常生活で使う比較的軽い製品を生産

・さらに繊維食品印刷などに分類

 

重化学工業

重工業:比較的重い製品を生産

化学工業:化学反応を利用して製品を生産

 

ⅰ.重工業

金属:鉄鋼、金属製品

機械:電気機械、輸送機械、一般機械

 

ⅱ.化学工業

石油化学:ガソリン、洗剤、医薬品など

 

先端技術産業(ハイテク産業)

半導体の生産など

※製品は軽いが高度な技術が必要


1.日本の工業の発展

軽工業重化学工業先端技術産業の順に発展

・日本はアメリカやドイツとともに世界有数の先進工業国

 

①明治時代~戦前

※四大工業地帯の形成と発展

京浜工業地帯

中京工業地帯

阪神工業地帯

北九州工業地帯(地域)

 

②第二次世界大戦後

ⅰ.太平洋ベルトの形成

・関東地方から九州地方北部にかけての沿岸部に、帯状に工業地域が発展

・理由:臨海部は原料となる原油・鉄鉱石の輸入、製品の輸出に便利

加工貿易に便利)

 →製鉄所石油化学コンビナートも立地

輸入は石油が多く、輸出は機械類が多い

 

ⅱ.戦後に発展したおもな工業地域

京葉工業地域

東海工業地域

瀬戸内工業地域

 

③1970年代以降

ⅰ.新しい工業地域の形成

※大都市圏周辺内陸部に形成

・組み立て型の工業:輸送機械工業電気機械工業など

高速道路(のインターチェンジ)や空港付近に工業団地を形成

 

機械工業自動車など

電子部品IC(集積回路)など

 

ⅱ.内陸のおもな工業地域

北関東工業地域

・東北地方

・九州地方

 

④各工業地帯・地域の工業出荷額(2018年)

・1位:中京工業地帯

・2位:京浜工業地帯

・3位:阪神工業地帯

※北九州工業地帯は地位が低下

 

・現在は輸出・輸入とも機械類が最も多い


2.日本の工業の変化

①工場の海外移転

・1980年代以降に進む

・海外で生産し、日本にも輸入

・これらの日本企業は多国籍企業になる

工業のグローバル化も進む

 

ⅰ.ヨーロッパ・北アメリカに移転

・理由:貿易摩擦を解消するため

※日本からの大量輸出により、アメリカの貿易赤字が大きくなり失業者も増加

(アメリカ国内でアメリカ製品があまり売れないため)

 

ⅱ.アジアに移転

・理由:労働力が豊富で、賃金が安いから

 ※生産コストを下げることができる

 

産業の空洞化

・国内の生産が衰退していく現象

・原因:工場の海外移転、安い輸入品の増加