1.新しい学問・思想
①国学
国学というのは、仏教や儒教が伝わる以前の、日本人特有の考え方などを明らかにしようとする学問です。「古事記伝」を書いた本居宣長が大成しました。
②蘭学
蘭学とは、オランダ語を通じて西洋の技術や知識を学ぶ学問です。「蘭」はオランダの意味ですね。ヨーロッパの国ではオランダだけが日本と貿易を許されていたので、日本人が外国のことを学ぶにはオランダ・オランダ語を通して、ということになります。
蘭学者としては杉田玄白らがいます。杉田玄白は、ヨーロッパの人体解剖書を翻訳して18世紀後半に「解体新書」を出版しました。
また、19世紀に入ると、伊能忠敬が西洋の測量術を学び、きわめて正確な日本地図を作成しました。
2.化政文化
19世紀前半、江戸を中心に栄えた、庶民を担い手とする文化です。元禄文化は上方つまり大阪や京都を中心としていました。
絵画では、美人画というジャンルで喜多川歌麿が多くの作品を残しました。
風景画では葛飾北斎の「富嶽三十六景」、歌川広重(安藤広重)の「東海道五十三次」が有名です。
文学作品では十返舎一九の「東海道中膝栗毛」があります。
俳諧では小林一茶らが活躍しました。松尾芭蕉は元禄文化なので注意しましょう。
俳諧の5・7・5の形式で庶民の生活などをおもしろおかしくよんだのが川柳、5・7・5・7・7の和歌の形式が狂歌です。いずれも庶民の間で流行しました。
教育も広がりを見せました。武士のための学校として、各地の藩が設立したのが藩校です。人材育成のための学校で、儒学などを教えました。
寺子屋は、各地の町や農村に設立された庶民のための教育機関でした。生活に必要な読み・書き・そろばん(計算)などを教えました。
3.幕藩体制の動揺
政治の内容にもどります。
①外国船の来航と幕府の対応
18世紀後半から、日本には貿易を求めて外国船が多く来航しました。19世紀になるともっと増えてきました。外国船の来航はペリーが初めてというわけではありません。
このような事態への対応として、幕府は北方の調査に力を入れました。間宮林蔵が樺太を探検して島であることを発見したのも、こういった背景があったわけです。
1825年、幕府は鎖国政策を守るために、異国船打払令(外国船打払令)を出し、日本に近づく外国船を追い払うことを命じました。この法令にもとづいて、1837年にアメリカの商船を打ち払う事件が起こると、蘭学者の渡辺崋山・高野長英が幕府の政策を批判したために罰せられました(蛮社の獄)
②国内の動揺
幕府をなやませたのは、外国船の来航だけではありません。1830年代に天保のききんが発生し、農村で百姓一揆、都市で打ちこわしが急増しました。さらに幕府にとって衝撃的だったのは、幕府のもと役人の大塩平八郎が、反乱をおこしたことでした(大塩の乱(大塩平八郎の乱))。
③農村の変化
農村は本来であれば自給自足が幕府の方針でしたが、そんなことおかまいなしに大商人がやってきて工場を建設し、農民をやとって工場で分業生産させる事例が増えてきました。これを工場制手工業(マニュファクチュア)といい、19世紀以降に広まりました。
4.天保の改革
国内外の危機に対応するために、老中水野忠邦は天保の改革を始めました。
まず、物価の上昇をおさえるために、株仲間の解散を強行しました。しかしこれは逆効果になったので、10年後には株仲間が再興されました。
また、江戸に出かせぎに来ていた農民を農村に帰らせ、農村の復興をはかりました。
さらに、幕府の収入を上げるために、江戸・大阪周辺の農村を幕府領にする命令を出しましたが、大名や旗本の反対で中止となりました。幕府が決めたことが、反対を受けて中止となるということは、それだけ幕府の力がおとろえていたことでもあります。
結局、天保の改革は2年余りで失敗に終わってしまいました。
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