「エビングハウスの忘却曲線」というのを聞いたことがあるでしょうか。
詳しくは検索すれば出てきますので、ここではこのサイトらしく ざっくりと紹介します。
人は何かを記憶すると、やがて忘れていきます。
20分後には42%忘れます
1時間後には56%忘れます
1日後には67%忘れます
6日後には75%忘れます
1か月後には79%忘れます
これをグラフにすると(横軸が時間、縦軸が憶えている割合)、反比例のような曲線のグラフになるというものです。
もっとも、ここでは「何日で何%忘れる」というのはどうでもいい話で、大事なのは、憶えたことは確実に忘れていく、ということです。
社会科は丸暗記科目では決してないですが、それでも暗記は必要です。憶えることが不可欠です。
「なかなか憶えられない」「すぐに忘れてしまう」という生徒は多いのですが、それに対する回答としては、「そんなことは当たり前。忘れて当たり前」ということです。
1時間くらいかけて、ある内容を暗記したとしても、その勉強を終えた瞬間から確実に忘れていきます。
なので、授業を受けた後、あるいは自習した後、その日のうちか翌日、遅くても2日後くらいには、同じ範囲を復習した方が良いです。どんなに遅くてもその週末まで。そうしないと、身に付きません。
1回勉強した後、次にその科目を勉強するのは2週間後、あるいはもっと先、というのでは、まったくもって非効率です。そのころにはすっかり忘れてしまっているからです。
「私は憶えるのが苦手」「記憶力がない」というのは、正しくはやり方が適切でないということです。つまり、「やりっぱなしでは意味がない」ということです。
一応、モデルケースを示してみると、
8月1日に勉強した場合、
・その日のうちに復習(8/1)
・1日後に復習(8/2)
・1週間後に復習(8/8)
・2週間後に復習(8/15)
・4週間後に復習(8/29)
・以降は2~4週間ごとに復習(毎月中旬・下旬)
といった感じです。
したがって、勉強計画のスケジュール帳は機械的に埋まっていきます。
なぜなら、今日やることに従って、明日も1週間後も2週間後も4週間後も自動的に決まるのですから。これなら、「今日は何をしようか」となることも減ってくるでしょう。
たとえ1日5分でも、やるとやらないとではまったく違います。
実際、1回の授業で進んだ分は、5分~10分もあれば確認できるのではないでしょうか。長いこと復習しないから、どんどんたまっていってしまうのです。
復習することによって、忘れていたこと・忘れかけていたことが再び記憶され、忘却曲線に逆らう感じで記憶が定着していきます。定期的な復習が習慣化すれば、成績も着実に上がっていきます。