1333年の鎌倉幕府の滅亡後、建武の新政が始まりました。しかしそれも数年間で終わり、1336年から1573年までの約240年間、室町時代が続きました。
0.室町時代の流れ
室町時代は、足利尊氏が幕府を開いたことで始まりました。
最初の約60年間は南北朝の動乱の時代が続き、1467年の応仁の乱をきっかけに日本は戦国時代に入りました。また、室町幕府は弱い政権であったため、室町時代にはさまざまな一揆が起こりました。最後は織田信長によって幕府はほろびました。
1.建武の新政
鎌倉幕府をたおした後醍醐天皇は、みずから政治の中心となって政策を進めていきました。しかしその政治は公家を重視する内容であったため、鎌倉幕府をたおすために後醍醐天皇に協力していた武士は不満を高めていきました。
足利尊氏が後醍醐天皇に反対して兵をあげたことで、建武の新政はわずか2年余りで失敗に終わりました。
2.室町幕府の成立
後醍醐天皇と対立し、建武の新政に反対した足利尊氏は、1336年に京都に幕府を開き、1338年には別の天皇から征夷大将軍に任命されました。
室町幕府のしくみは、鎌倉幕府とある程度似ています(室町幕府にも侍所・政所・問注所がありました)が、異なるところもあります。その1つが、将軍の補佐役である管領です(鎌倉幕府は執権でしたね)。
鎌倉幕府と同様、室町幕府にも守護が置かれましたが、室町幕府の守護は鎌倉時代に比べて権限が大きく拡大しました。そのため、室町時代の守護のことを、守護大名とよぶこともあります。
管領についたのも、有力な守護(守護大名)たちでした。
さて、建武の新政が失敗に終わった後醍醐天皇でしたが、京都から吉野(奈良県)に移って、引き続き正統な政権であることを主張しました。
こうして、京都の天皇(足利尊氏を征夷大将軍に任命した)と、吉野の後醍醐天皇という、2人の天皇が同時に存在するという異常事態となりました。北にある京都の朝廷が北朝、南にある吉野の朝廷が南朝です。この南北朝の動乱は、1392年に3代将軍足利義満のときに統一するまで続きました。
3.近隣諸国との関係
①日明貿易(勘合貿易)
日本や中国、朝鮮半島周辺の海では、倭寇という海賊が活動し、各国の人々を悩ませていました。中国の明が倭寇の取りしまりを日本に求めてくると、室町幕府の足利義満がこれに応じて倭寇を禁止する一方、明との貿易(日明貿易)を開始しました。この貿易では、正式な貿易船と倭寇とを区別するため、勘合という合い札が使用されました。そのため、日明貿易を勘合貿易ともいいます。
②日朝貿易
朝鮮も日本に倭寇の取りしまりと貿易を求め、足利義満や西日本の守護大名がこれに応じて、日朝貿易が行われました。
③琉球王国の成立
現在の沖縄県では、1429年に尚氏が琉球王国を建国しました。琉球王国は地理的な特徴を生かした中継貿易で栄えました。
4.各種産業の発達
①農業
鎌倉時代に近畿地方中心に行われるようになった二毛作が、室町時代には全国に広がりました。二毛作とは、同じ農地で1年に2種類の作物を収穫する農業です。
②運送業・商業
運送業では、馬の背に物資をのせて運んだ馬借という運送業者が現れました。
商業では、同業者ごとに座という団体を結成し、公家や寺社に銭を納め、その見返りに保護を受けて営業を独占しました。
鎌倉時代に始まっていた定期市(市)は、開かれる回数が増えて、月に6回開かれるようになりました。
※二毛作・定期市は鎌倉時代にはすでに始まっていて、それが室町時代に発展したことをおさえておきましょう。
③村の自治
室町時代の農村では、惣という自治組織が各地に成立しました。惣では村民が集まって寄合とよばれる村会議を開き、村のおきてなどを定めました。
惣の人々は、団結して年貢の軽減や徳政令の発令を求めて土一揆を起こし、領主や守護大名に反抗することもありました。
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