1.鎌倉文化
鎌倉時代の文化について確認していきましょう。
①建築・文学
建築では、東大寺南大門が有名です。東大寺そのものが建てられた時代は覚えてますか? 奈良時代の聖武天皇のとき、天平文化ですね。あれから数百年経って、追加で南大門が建てられたわけです。この南大門の左右には、2体の金剛力士像が置かれています。
続いて文学です。鎌倉時代の和歌集に「新古今和歌集」があります。編集を担当した藤原定家らの和歌が収録されています。
「新」のつかない「古今和歌集」はいつの時代の和歌集でしょうか? 平安時代の国風文化、紀貫之らの編集でしたね。
このほか、軍記物の「平家物語」があります。これは、源平の争乱や、平氏の繁栄・没落をえがいた作品で、琵琶法師によって各地で語り伝えられました。
随筆では、鎌倉時代の初めに鴨長明が「方丈記」を、鎌倉時代の後期に兼好法師(吉田兼好)が「徒然草」を書きました。
②鎌倉時代の新しい仏教
鎌倉時代には、新しい仏教も広まりました。全部で6つあります。宗派と開いた人物の名前をセットで覚えていきましょう。
まず、最初の3つは、念仏を唱えるというもの。念仏宗ともいわれます。
ⅰ.浄土宗
浄土宗は法然によって開かれました。法然は、「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることを説きました。
ⅱ.浄土真宗(一向宗)
浄土真宗は法然の弟子であった親鸞によって開かれました。親鸞は悪人こそ救われる、と説いたのが特徴です。
ⅲ.時宗
時宗は一遍によって開かれました(トキムネと読まないように)。
一遍は踊念仏という独特のやり方で布教を展開しました。踊念仏とは、文字通り、集団で念仏を唱えながら踊るというものです。
ⅳ.日蓮宗
4つめの宗派は、日蓮が開いた日蓮宗です。日蓮宗では、念仏ではなく法華経の題目「南無妙法蓮華経」を唱えることを説きました。
ⅴ・ⅵ.禅宗
あとの2つの宗派は、禅宗とよばれる宗派です。これは、座禅によって自分で悟りを開こうとする宗派で、臨済宗と曹洞宗がありました。
ⅴ.臨済宗
栄西が伝えたのが臨済宗です。臨済宗は、幕府など権力者の保護を受けて発展したという点が大きな特徴です。
ⅵ.曹洞宗
禅宗のもう1つは、道元の曹洞宗です。こちらは、ひたすら座禅を行うことを説いた宗派でした。
2.元寇
突然場所は変わって中国大陸。
13世紀はじめ、チンギス・ハンによって巨大なモンゴル帝国が建国されました。その孫の1人がフビライ・ハンです。
中国を支配したフビライ・ハンは、国号を元とし、日本に対しては服属を求めてきました。これに対し、当時の鎌倉幕府の執権北条時宗は服属を拒否しました。すると、元は大軍を率いて日本をおそってきました。これが元寇です。
②2度の襲来
元から攻め込んできたのは2回、1274年と1281年でした。
1274年の1度目の戦いでは、日本の御家人は元の戦い方に悩まされました。
日本では一騎打ちで戦う慣習があったのに対し、元は集団戦法や火薬を用いた武器で戦いをいどんできたため、御家人たちは大いに苦戦しました。しかし、暴風雨によって元軍は引き上げ、日本はどうにか助かりました。
その後も元は日本に服属を求めてきましたが、日本(幕府)はこれを無視し続けました。
こうして、1281年に2度目の戦いが始まりました。
このときは、事前に幕府が海岸に築かせていた石塁(防塁)の効果もあって、元軍は上陸することができませんでした。さらに、またも暴風雨が発生し、元軍は大きな被害を受け、引き上げました。
3.鎌倉幕府の衰退
鎌倉時代の後半、御家人の生活は苦しくなっていきました。理由は2つ。
当時は分割相続が行われていたため、代を重ねることで御家人の領地が小さくなっていったことと、もう1つは元寇での戦いに対する恩賞が不十分であったことが挙げられます。元寇は外国との戦いであったため、新たな土地が得られなかったことも大きな要因です。
こうして、御家人は幕府に対して不満をもつようになりました。(「主君のためなら何もいらない!」みたいな考えはまだないですよ)
このような状況を見た幕府は、御家人を助けるために1297年に徳政令(永仁の徳政令)を出しました。その内容は、借金の帳消しや、御家人が失った土地をただで取りもどさせる、というものでした。ところが、かえって経済が混乱してしまい、御家人は幕府への不満をますます強くしていきました。結果的に徳政令は失敗でした。
さらに、幕府に従わない悪党とよばれる新興の武士なども各地に出現するようになりました。
4.鎌倉幕府の滅亡
幕府のおとろえを目の当たりにした後醍醐天皇は、政治の実権を朝廷に取りもどすために幕府をたおす計画を立てました。これに有力御家人の足利尊氏らも協力し、ついに1333年、鎌倉幕府がほろびました。
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