中学地理:日本の気候/解説(ざっくり)

日本の気候の分類

世界の気候の分類に従うと、日本は北海道が冷帯(亜寒帯)、それ以外は温帯に属しますが、同じ温帯でも日本の気候は、地域によって大きく異なります。

「日本の気候」で分類すると、年間の気温と降水量から大きく6つの気候に分けられます。

 東京の年間平均気温が約15℃、年間降水量が約1500mm、これをとりあえずの標準としておくと、学習しやすくなります。


1.北海道の気候

年間平均気温15℃、年間降水量1500mmを標準とした場合、全体的に気温が低く、降水量も少ないのが特徴です。

 

北海道では、寒過ぎて雪が降らない(少ない)ということです。冬の間ずっと雪が積もっているのは、一度降った雪がとけずに残っているのですね。


2.南西諸島の気候

この気候に属するのは、沖縄や小笠原諸島などです。南西諸島の気候は亜熱帯ともよばれます。「熱帯に近い温帯」といった意味です。

気温が高く、降水量も多いです。15℃、1500mmを大きく超えていますね。

 

降水量がこんなにも多いのは、5~6月の梅雨(日本でもいち早く梅雨入り・梅雨明けします)に加えて、8~9月には台風が多く接近・上陸するからです。

 


3.日本海側の気候

北海道と九州をのぞいた、本州の日本海側に見られる気候です。

 

一番の特徴は、雪が多く降るため、冬の降水量が多いことです。

雨温図で冬の降水量が明らかに多ければ、日本海側の気候で決まりです。

なぜ冬に雪が多いのかというと、冬に北西から吹く季節風の影響を受けるからです。

 

 

 


4.太平洋側の気候

本州・四国地方の太平洋側、九州地方の大部分がこの気候にふくまれます。夏は南東からの季節風の影響を受けるので、降水量が多く暑さも厳しくなります。反対に、冬は乾燥して雨が少ないのが特徴です。

 

温帯の温帯(温暖)湿潤気候の特徴が明確に表れている気候といえます。

気温、降水量のグラフとも、山をえがいていて、15℃・1500mm前後となっています。 


5.中央高地の気候(内陸(性)の気候)

中部地方の内陸部、日本アルプスのあたりを中心にみられる気候です。

 

標高が高いため年間平均気温はやや低く季節風の影響が小さいため年間降水量は少なくなっています

 

 

 


6.瀬戸内の気候

瀬戸内海周辺の地域に見られます。

北に中国山地、南に四国山地があるため、冬・夏ともに季節風がさえぎられるので、1年を通して降水量が少ないのが特徴です。

 

標高の高い中央高地の気候と比較すると、気温は高くなっています。


雨温図の判別のしかた

ここでは、年間平均気温については15℃前後を「普通」と表記します。

年間降水量については1500mm前後であれば「普通」とします。2000mm前後あるいはそれ以上であれば「多い」、1000mm前後あるいはそれ以下であれば「少ない」となります。

 

では、以下の手順に従って判別の作業を進めていきましょう。

 

1.冬の降水量に注目

冬の降水量が明らかに多い場合(夏より冬の降水量が多い)場合は、日本海側の気候となります。

中国地方の日本海側は、東北地方より雪が少ないとはいえ、冬の降水量が春・秋よりも多くなっていて、日本海側の気候に分類されます。

 

※冬の降水量が少ない場合は、次の2へ。

 

2.年間降水量に注目

①年間降水量が多い場合

南西諸島の気候で決まりです。念のため、気温のグラフも見ておきましょう。全体的に高い気温で推移していれば、南西諸島の気候で確定です。

 

②年間降水量が少ない場合

年間降水量が少ない場合、それだけでは判断できませんので、気温に注目します。

 

ⅰ.気温が低い場合

全体的に気温が低く、最も寒い月の平均気温が明らかにマイナス(氷点下)になっていれば、北海道の気候となります。

 

ⅱ.気温が比較的高い場合

太平洋側の気候(東京)と同じような気温の場合は、瀬戸内の気候となります。

 

ⅲ.気温がⅰとⅱの中間の場合

夏は25℃くらいまで上がり、冬は0℃前後まで下がる場合は、中央高地の気候となります。標高が高いため、気温が低くなっています。

 

③年間降水量は普通の場合

残った太平洋側の気候となります。念のため、気温も見ておきましょう。夏は25℃前後、冬は5℃前後となっているはずです。


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