ポイント解説
江戸時代の日本は、鎖国といっても完全に国が閉ざされていたわけではなく、4つの窓口が一部の外国に対して開かれていました。江戸幕府の長崎は清・オランダ、宗氏の対馬藩は朝鮮、島津氏の薩摩藩は琉球王国、松前氏の松前藩はアイヌ民族に対し、それぞれ窓口となっていました。
鎖国下でも開かれていた4つの窓口(四つの口)
1.長崎
・幕府の直轄地
・中国(清)・オランダと貿易を行う
※17世紀半ば、明が滅亡し、女真族(満州族)の清にかわる
・清・オランダと国交はない
・中国人は唐人屋敷に居住
・オランダ人は出島に居住。オランダ風説書の提出も
・輸出品:金・銀
→のち銅・俵物(海産物)など
・輸入品:生糸・絹織物など
2.対馬藩の宗氏
・朝鮮との外交・貿易を担当
・朝鮮とは豊臣秀吉による出兵で国交が断たれていた
・17世紀初め、朝鮮との国交を回復
→朝鮮から朝鮮通信使(通信使)が江戸を訪れる
・朝鮮の釜山に倭館を設置
→対馬藩の役人を派遣
・輸出品:銀・銅など
・輸入品:木綿・朝鮮にんじん(朝鮮人参)など
3.薩摩藩の島津氏
・17世紀初め、琉球王国を武力で征服し服属させる
※琉球王国は中国(明。のち清)にも朝貢
・江戸幕府の将軍の代がわりや琉球国王の代がわりごとに琉球使節が江戸を訪れた
4.松前藩の松前氏
・アイヌ民族との交易を独占
・アイヌの人々は和人との不利な取り引きに不満
→17世紀半ば、シャクシャインを中心に戦いをおこすが敗れる
※漢字の読み方
・女真族(満州族):じょしんぞく(まんしゅうぞく)
・俵物:たわらもの
・釜山:ふざん(プサン)
・倭館:わかん