地理5-6 東北地方 解説


1.自然・気候

①地形

東北地方の中央部には、奥羽山脈が南北に走っています。東北地方の6県全部にまたがっていて、岩手県と秋田県、宮城県と山形県の県境にもなっています。

 

平野としては、北上川下流部に広がる仙台平野最上川下流部に広がりの生産が多い庄内平野などがあります。

 

岩手県を中心とする海岸を三陸海岸といい、その南部は海岸線の入り組んだリアス海岸となっています。

 

②気候

中央部を南北に走る奥羽山脈により、太平洋側の気候日本海側の気候に分かれています。

 

太平洋側では、梅雨から夏にかけてやませという北東からの冷たい風が吹きます。風が冷たい理由は、寒流の親潮(千島海流)の影響で、冷やされた空気が流れてくるためです。雲や霧(きり)を発生させることで日照時間が少なくなり、気温も低下します。これにより冷害が発生し、農業に被害を及ぼすこともあります。

 

日本海側は、冬は北西の季節風の影響で雪が多くなります。日本海側の気候の特徴が明確に表れていますね。


2.農業

①稲作

東北地方は日本の穀倉地帯となっていて、秋田平野庄内平野仙台平野などで米の生産がさかんです。都道府県別の米の生産量を見ても、新潟県・北海道とともに東北地方の各県が上位にその名を連ねています。

 

ただし、戦後の日本人の食生活が変化したことなどにより、米が余るようになったため、1970年代から米の生産調整を実施してきました。これを減反政策といいますが、現在は廃止が決定しています。

 

②果実の生産

東北地方は果実の生産も多くなっています。りんごといえば青森県が有名ですね。全国1位の生産で、全体の約50%を占めています。さくらんぼ山形県全国1位で、全体の約70%にもなります。もも福島県の生産量が多く、山梨県に次いで全国2位になっています。


3.漁業

三陸海岸の沖には暖流と寒流がぶつかる潮目があります。ここではプランクトンが多く、それをえさとする魚も多く集まることから、好漁場となっています。

青森県の八戸港、宮城県の気仙沼港は、水あげ量も多く日本有数の漁港です。

 

養殖もさかんです。三陸海岸ではこんぶ・わかめ・かき、青森県ではほたて貝の養殖が多くなっています。


4.都市と過疎化

宮城県仙台市は人口100万をこえる東北地方最大の都市です。政令指定都市であり、地方中枢都市でもあります。一方、新幹線や高速道路が通らない地域では人口が減少を続け、過疎深刻となっています。


5.工業

IC(集積回路)を生産する工場が高速道路(東北自動車道)や空港沿いに多く、自動車の工場が岩手県から宮城県の高速道路沿い多く進出しています。


6.伝統産業と伝統的工芸品

青森県津軽塗岩手県南部鉄器、山形県の天童将棋駒、福島県の会津塗などが有名です。


7.伝統的な祭り

青森ねぶた祭秋田竿燈(かんとう)まつり仙台七夕まつり山形花笠まつりが夏の時期に行われ、観光客もふくめて多くの人が集まります。


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