1.中国・四国地方の3つの地域区分
中国・四国地方はさらに3つの地域に区分することができます。中国山地より北の地域を山陰、中国山地と四国山地にはさまれた地域を瀬戸内、四国山地より南の地域を南四国といいます。
それぞれの地域は気候が大きく異なっています。
山陰は日本海側の気候で、冬は北西から吹く季節風の影響で雪や雨が多くなります。
瀬戸内は瀬戸内の気候に属し、年間を通じて温暖で、降水量が少ないです。そのため、水不足になりやすいので、ため池や用水路がかんがい用に整備され、農業に利用されています。
南四国は黒潮(日本海流)の影響で1年を通して温暖で、太平洋側の気候に属し、南東の季節風や台風の影響で降水量が多いです。
2.中国・四国地方の工業
中国・四国地方には、瀬戸内工業地域が形成されています。工業生産額の内訳を見ると、化学工業や機械が多くなっています。
石油化学工業、製鉄業、自動車工業などの重化学工業が発達していて、岡山県倉敷市などには石油化学コンビナートが構成されています。
また、臨海部に工場が多く立地していますが、これは、原料の輸入と製品の輸出に便利なためです。 加工貿易に適しているということですね。
3.都市と問題
市町村などの人口が減少していくことを過疎化といいます。過疎化の進んだ地域では、人口減少を防ぐために町おこしや村おこしといった地域おこしに取り組んでいるところも多いです。
4.交通網の整備
①本州四国連絡橋
本州と四国をつなぐ3本のルートを本州四国連絡橋といい、瀬戸大橋、明石海峡大橋、瀬戸内しまなみ海道があります。そのなかでも、児島・坂出ルートの瀬戸大橋は、岡山県と香川県の間に通っているのですが、その開通後、岡山県と香川県の間では移動時間が短縮されたため、自動車や鉄道による通勤・通学者が増加しました。
②高速道路
中国・四国地方の高速道路には、中国自動車道、山陽自動車道などがあります。
5.中国・四国地方の各県の特徴
①高知県
太平洋に面した高知県は、沖を暖流の黒潮(日本海流)が流れているため、温暖な気候となっています。その気候を利用して、高知平野で促成栽培が行われていて、冬から春にかけてビニールハウスできゅうり・なす・ピーマンなどをさかんに栽培・出荷しています。
②愛媛県
愛媛県はみかんの栽培がさかんなことで有名ですね。農業生産額に占める果実の割合も大きいです。ただし、農業生産の金額そのものは全国的に見て大きいわけではありません。
③香川県
香川県は面積が全国で最小の県です。
④広島県
広島市は太田川の河口に三角州が広がっていて、都市を形成しています。広島市の人口は100万人をこえ、政令指定都市であり、地方中枢都市でもあります。また、世界で初めて原子爆弾が投下された広島市は、平和記念都市にも指定されています。
広島県の漁業では、かきの養殖がさかんです。
⑤岡山県
岡山県では、ぶどう、ももの栽培がさかんです。
⑥鳥取県
鳥取県ではなしの栽培がさかんです。
鳥取砂丘では、らっきょう・メロンの栽培が行われています。
⑦島根県
島根県には世界遺産の石見銀山があります。