地理3-8 オセアニア州 解説


1.オセアニア州について

①先住民

オーストラリアやニュージーランドには、もともと先住民が暮らしていました。オーストラリアの先住民はアボリジニニュージーランドの先住民はマオリです。

 

②オセアニア州の気候

オーストラリアの気候についてですが、内陸の大部分は広大な乾燥帯となっています。北部は熱帯東部や南西部は温帯となっています。

北部が熱帯になっている理由は、オーストラリアは南半球に位置するため、北に行くほど赤道に近づいて暑くなるからです。

 

ニュージーランドの気候は温帯で、温帯の中でも西岸海洋性気候がほぼ全土に広がっています。


2.オーストラリアについて

①基礎データ

オーストラリアの人口は約2200万人、面積は世界6位の広さで、日本の約20倍になります。そのため、人口密度は小さいです。

 

②最大の貿易相手国の変化

オーストラリアの貿易についてです。最大の貿易相手国の変化を見ていくと、1960年はイギリスでした。ですがその後、イギリスがヨーロッパ共同体(EC)つまり現在のヨーロッパ連合(EU)に加盟したことで、イギリスはEUの国々との貿易が増加したこともあり、オーストラリアとイギリスとの貿易額は減少していきました。

 

その後、1980年代から2000年代にかけては、日本が最大の貿易相手国となりました。さらに現在は中国が最大の貿易相手国となり、日本は2位となっています。他にも韓国や東南アジアなど、アジアの国々との貿易が多くなっています

 

③おもな輸出品目の変化

1960年代は羊毛が輸出の中心でした。現在は鉄鉱石石炭など鉱産資源が中心となっていますが、羊毛の生産量・輸出量は現在も世界1位です。

 

④資源の分布

オーストラリアでは、石炭鉄鉱石が多く産出します。石炭はおもに東部(北東部・南東部)で、鉄鉱石北西部でとれます、

石炭が多くとれるため、オーストラリアでは火力発電の割合が約90%ととても高くなっています。

 

⑤放牧の分布

オーストラリアでは、が多く放牧されています。その分布を見ると、南東部・南西部北東部で多く放牧されています。南半球のオーストラリアでは北が暑くなりますから、毛むくじゃらの羊は暑い北では過ごしにくいですね。そういう理由もふまえたうえで、南に羊、暑い北に牛、と覚えておくと便利です。

 

⑥社会の変化

かつては白豪主義といって、ヨーロッパ系以外の移民を制限する政策をとっていました。この白豪主義は1970年代に廃止され、現在は多文化主義を採用しています。こうして、アジア各地からの移民が増加し、オーストラリアは多文化社会になっています。

 

⑦日本との関係

日本への輸出品目では、石炭鉄鉱石肉類などが中心です。

 

オーストラリアは日本からほぼ真南に位置するため、時差があまりありません。オーストラリアにはいくつかの時間帯がありますが、そのいずれにおいても、日本との時差は2時間以内となっています。

また、南半球に位置するので、日本と季節が逆になります。そういうこともあって、夏のオーストラリアから冬の日本への旅行客、特に北海道へのスキー客が多くなっています。


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●3-1 アジア州①
アジア州全体。中国、韓国
解説講座  ・まとめ  ・一問一答
アジア州の地図

●3-2 アジア州②
東南アジア、西・中央アジア
解説講座  ・まとめ  ・一問一答

●3-3 ヨーロッパ州①
解説講座  ・まとめ  ・一問一答
ヨーロッパ州の地図

●3-4 ヨーロッパ州② ヨーロッパ各国
解説講座  ・まとめ  ・一問一答

●3-5 アフリカ州
解説講座  ・まとめ  ・一問一答
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●3-6 北アメリカ州
解説講座  ・まとめ  ・一問一答
北アメリカ州の地図

●3-7 南アメリカ州
解説講座  ・まとめ  ・一問一答
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●3-8 オセアニア州
解説講座  ・まとめ  ・一問一答
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