地理3-3 ヨーロッパ州① 解説

1.ヨーロッパ州の気候・自然

①気候

 ヨーロッパ州の多くの国々は、日本より高緯度に位置しています。ですが、日本の気候に比べると冬の寒さはそれほどきびしくなく、比較的温暖です。その理由は、大西洋を南から北に流れる暖流の北大西洋海流と、その上を吹く偏西風影響を受けるからです。

 

②地形・自然

 ヨーロッパの北部にはスカンディナビア半島があります。その沿岸部(ノルウェー)には、フィヨルドという特徴的な地形がみられます。これは、氷河によってけずられた谷に、海水が深く入り込んでできた、奥行きのある湾のことです。リアス海岸は水によってけずられた地形ですが、フィヨルドは氷河(氷)によってけずられたという違いがあります。

 

 複数の国を流れる国際河川としてはライン川があります。ドイツやフランスなどを流れており、物資の運送にもライン川の水運が利用されています。

 

 ヨーロッパの多くの国は、日本よりも面積が小さいです(日本の面積は約38万平方キロメートル)。EU加盟国で日本より広い国は、面積の大きい順にフランススペイン、スウェーデンの3か国だけです。統計資料の読み取る問題で参考になります。

 

 

2.ヨーロッパ州の宗教・言語

 ヨーロッパでは、キリスト教が多く信仰されています(もちろん、それ以外の宗教を信仰する人も少なくありません)。歴史的な流れを経て、同じキリスト教でもいつかに分かれていて、現在はおもにプロテスタントカトリック正教会などに分かれています。

 

 公立高校入試ではこまかい内容になりますが、言語もいくつかの種類に分かれています。ゲルマン系言語の英語・ドイツ語、ラテン系言語のフランス語・イタリア語、スラブ系言語のロシア語・ポーランド語といった具合です。

 

 

3.ヨーロッパの農業

ヨーロッパの農業の形態には、大きく分けて3つがあります。

 

地中海式農業

 地中海沿岸の地域で見られる農業形態です。具体的な国名としては、イタリア・スペインなどです。これは地中海性気候に適応した農業です。夏は雨が少なくて乾燥するわけですから、乾燥に強いオレンジオリーブなどの果実を栽培しています。冬は雨が降って降水量が増えますので、小麦を栽培することができます。

 

混合農業

 ヨーロッパ北西部や東部など、広い範囲で見られる農業形態です。穀物栽培と家畜の飼育を組み合わせた農業です。穀物としては小麦やライ麦、家畜は豚や牛などです。

 

酪農

 ヨーロッパ北部、デンマークやオランダなどで見られる農業形態です。乳牛を飼育し、バターチーズを生産しています。

 

 

 ヨーロッパの農業の分布については、地中海沿岸付近は地中海式農業、ヨーロッパ北部など気候が冷涼な地域は酪農、それ以外は混合農業と大まかに覚えておくとよいです。

 

 

4.ヨーロッパの統合

 ヨーロッパは20世紀におこった2度の世界大戦で大きな被害を受け、その政治的・経済的な地位を大きく低下させてしまいました。そこで、ヨーロッパの国々は、もうヨーロッパで戦争が起こらないようにすることや、アメリカや日本に経済面で対抗することを目的として、統合を進めました。

 こうして、1967年にヨーロッパ共同体EC)が結成され、さらに1993年にはヨーロッパ連合EU)が12か国で発足しました。その後も加盟国は増え続け、現在の加盟国は28か国となっています。

 EU加盟国の人口の合計は約5億人となり、日本やアメリカを大きく上回っています。また、GDPにおいても、アメリカを上回る数字となっています。

 

 ただし、2016年にイギリスで行われた国民投票の結果、イギリスはEUを脱退することとなりました。28か国というのは、イギリスをふくめた数です。

 

 

②EUの政策

EUの加盟国間では、国境を自由に通過することができます。国境をこえて通勤や買い物をすることもめずらしくありません。また、加盟国間の関税をなくし、貿易がさかんになるようにしています。

 ユーロという共通通貨も導入されました。ですが、このユーロは、すべてのEU加盟国が参加しているわけではありません。EU脱退を決めたイギリスの通貨は、ずっとポンドのままです。

 

③EUの問題点

 EUには問題点も少なくありません。例えば、加盟国間の経済格差が大きいことがあげられます。西ヨーロッパ諸国に比べると、東ヨーロッパ諸国は経済的に発展が遅れている傾向にあります。