1.グローバル化
グローバル化とは、人、もの、お金、情報などが国境をこえてさかんに移動し、世界の一体化が進むことです。グローバル化が進んでいる背景には、交通・通信手段の発達があります。
具体的には、航空機によって各国を移動することが容易になりました。毎年、多くの日本人が仕事や観光で海外に出かけていますね。反対に、外国からも多くの観光客が日本を訪れています。また、通信手段としてはインターネットが発達・普及したことによって、世界中の人と簡単にコミュニケーションをとることができるようになったほか、世界のニュースをすぐに知ることもできるようになりました。
グローバル化が進んだ背景としては、ほかに、貿易・技術・文化などの交流が進んだこともあげられます。貿易がさかんになったことで、私たちは外国の商品を以前よりも簡単に手に入れることができるようになりました。
2.グローバル化と貿易
グローバル化によって、特に貿易においては、国際競争と国際分業という2つの側面が見られるようになりました。
国際競争とは、貿易において、どちらの国がより良い商品をより安く提供できるかという競争です。
例えば、日本の企業が自動車を生産して海外のA国に輸出しようとする場合、別のB国からもA国に対して自動車が輸出されているとします。
そうなると、日本とB国との間で競争(国際競争)が起こり、相手国より性能が良くて価格も安い自動車を生産するよう努め、より多くA国で売れることをめざすことになります。
国際競争に対し、国際分業もあります。他国より安くて品質の良いもの、つまり得意分野の製品をたくさん生産して輸出し、そうでない分野のものは輸入するということです。
なお、日本の貿易を品目別に見ると、輸出品目の第1位は機械類、第2位は自動車となっています。一方、輸入品目の第1位は、機械類、第2位は石油です。輸出・輸入とも同じ品目となっているのです。
また、輸入自由化などの影響もあって、日本は海外から多くの食糧品を輸入するようになっており、日本の食料自給率は低下傾向にあります。食料自給率とは、「国内で消費する食料を国内の生産でどのくらいまかなえているか」を示す割合のことです。
3.国際協力
グローバル化の進んだ世界において、他に重要となってくるのが国際協力です。これは、一国では解決できない世界規模の問題を解決するために、各国が協力することです。
例えば、地球環境問題は1つの国では対応できません。国際会議を開いて話し合い、協力して対策に取り組む必要があります。また、新型インフルエンザのような感染症が発生した場合も、各国が解決のために協力しなければなりません。
4.多文化共生社会
グローバル化が進んだことで、1つの社会のなかに文化の異なるさまざまな国の人々が暮らすこともめずらしくなくなりました。おたがいの個性や文化を理解し、尊重しあう社会を形成することが大切となります。このような社会を、多文化社会または多文化共生社会といいます。