地理4-4 日本の気候と雨温図 解説

日本の気候の分類

南北に長い国土をもつ日本は、地域によって気候にもはっきりとした違いがみられます。

「北は寒く、南は暑い」といった北半球共通の違いだけでなく、「日本海側と太平洋側で気候が異なる」などの日本特有の違いも見られるのです。

このようにして分類していくと、日本の気候は6種類に分けられます。いずれも、気温と降水量に着目して分類されます。

 

世界の気候でも触れましたが、東京の年間平均気温が約15℃、年間降水量が約1500mmというのを念頭においておくと、学習しやすくなります。

 


1.北海道の気候

①特徴

この気候に属するのは、文字通り、北海道です。北海道は、世界の気候区分でいうと[冷帯亜寒帯)]に属します。全体的に気温が低く、降水量も少ないのが特徴です。

北海道は雪がたくさん降るイメージがあります。確かに東京と比べればはるかに多く降りますが、東北地方の日本海側と比べると、北海道は「寒過ぎて雪が降らない(少ない)」ということです

 

※余談ですが、「北の国から」という北海道を舞台にしたドラマで、「気温が上がって来たから、雪が降りそうだ」というセリフがありました。冬の寒さの厳しさがうかがえます。

 

また、北海道には梅雨がありません。台風も、北海道に達する頃には勢力が弱まって熱帯低気圧になっていることが多いです。そのため、年間の降水量も比較的少なくなっているのです。

 

②雨温図(気温と降水量のグラフ)の特徴

ⅰ)気温

冷帯亜寒帯)]に属していますから、最も寒い月の平均気温は-3℃より低くなります。グラフを見れば、明らかにマイナス(氷点下)の月が必ずあります。

夏は20℃近くまで上がっています。年間の平均気温の変化は大きいですが、他の地域と比べると、山(気温の折れ線グラフ)全体の位置が低めになっているのが特徴です。

 

ⅱ)降水量

降水量は年間を通して少なめで、年間降水量は約1000mm程度です。グラフを見ればわかる通り、冬の降水量(降雪量)も少なくなっています。いつも雪におおわれているイメージがありますが、あれは一度降った雪が溶けずにずっと残っているわけですね。

また、梅雨がないため、6・7月の降水量が多くなっているということもありません。

 


2.南西諸島の気候

①特徴

北の次は南を見ます。この気候に属するのは、沖縄や小笠原諸島などです。南西諸島の気候は[亜熱帯]ともよばれます。「熱帯に近い温帯」といった意味です。

気温が高く、降水量も多いです。沖縄県の那覇市は、年間平均気温が約23℃、年間降水量が約2000mmとなっています。東京より暑く、降水量も多いのがわかりますね。

降水量がこんなにも多いのは、5~6月の梅雨に加えて、8~9月には台風が多く接近・上陸するからです。

 

②雨温図

ⅰ)気温

全体的に気温が高いのに加えて、年間の気温差がそこまで大きくないため、気温のグラフの山が、他の地域に比べて明らかにゆるやかになっています。

 

ⅱ)降水量

梅雨と台風で雨が多く降るため、5~6月、8~9月の降水量が特に多くなっています。冬の降水量は少ないです。そのため、12か月分の棒グラフは、2つの頂上がある山の形をえがきます(5・6月と8・9月が頂上、7月はへこんでいる)。

 

梅雨の時期は、関東などに比べて早いのも知っておくといいでしょう。例年、5月に梅雨入り、6月に梅雨明けとなります。

 


3.日本海側の気候

①特徴

北・南の次は、日本海側・太平洋側を見ていきます。先に、日本海側の気候です。これは、北海道と九州をのぞいた、本州の日本海側に見られる気候です。

日本海側と太平洋側で気候が異なる理由は、山地・山脈の存在です。本州を東北地方から中国地方まで見ていきますと、奥羽山脈、越後山脈、日本アルプス、中国山地などが連なっており、見事に日本海側と太平洋側を隔てているのがわかります。

 

※日本アルプスのある地域は、山地・山脈が密集しているため、「中央高地の気候」という、また別の気候に属します。

 

さて、日本海側の気候の一番の特徴は、雪が多く降るため、冬の降水量が多いことです。なぜ冬に雪が多いのか。それは、冬に北西から吹く季節風]の影響を受けるからです。

 

②雨温図

ⅰ)気温

気温については、太平洋側の気候と違いは見られません。夏は暑く、冬は寒くなっています。

気温の折れ線グラフはきれいな山の形になりますが、北海道の気候のグラフより全体的に高めの位置で山の形をつくります。

 

ⅱ)降水量

雪が多く降るため、冬の降水量が多いのが最大の特徴です。他の気候では、棒グラフは山の形をしています(夏に多く冬に少ない)が、日本海側の気候では、降水量の棒グラフでは、明らかに冬が多くなります。雪の特に多い地域では、年間の降水量が2000mmをこえるところもあるほどです。

東北地方や北陸などでは、夏より冬の方が明らかに多くなっています。鳥取県・島根県など中国地方の日本海側では、東北地方や北陸地方(中部地方の日本海側)ほど雪がふるわけではないですが、それでも春・秋より冬の降水量の方が多くなっています。

つまり、「雪の降る季節」があることがわかります。(東京では雪の降らない冬もありますし、10cmでも積もれば大騒ぎです。)

 

 

いずれにせよ、降水量の棒グラフは山の形にならないということです。

 


4.太平洋側の気候

①特徴

本州、四国地方の太平洋側、九州地方の大部分がこの気候にふくまれます。夏は南東からの季節風の影響を受けるので、降水量が多く暑さも厳しくなります。反対に、冬は乾燥して雨が少ないのが特徴です。

 

温帯の温帯(温暖)湿潤気候の特徴が明確に表れている気候といえます。逆にいうと、目立った特徴がないのが特徴、ともいえますが…。

 

②雨温図

ⅰ)気温

日本海側の気候と同様、気温の折れ線グラフはきれいな山の形となります。北海道の気候より上(高い気温)の位置で山の形をえがきます。

 

ⅱ)降水量

梅雨と台風の時期に雨が多く、冬は少ないです。そのため、棒グラフは、2つの頂上がある山の形となります。この点は、南西諸島の気候と同様ですね。

ただし、年間降水量については、南西諸島の気候よりも少なくなります(といっても、世界の気候と比べたら十分な量です)。

 

 


5.中央高地の気候(内陸(性)の気候)

①特徴

中部地方の内陸部、日本アルプスのあたりを中心にみられる気候です。長野県、岐阜県、山梨県などのほか、教科書や地図帳によっては、群馬県の一部までふくめている場合もあります。

標高が高いため気温がやや低く、降水量は少なくなっています。

 

②雨温図

ⅰ)気温

折れ線グラフは山の形となります。山の位置は、北海道の気候より上、太平洋側の気候(東京)より下のあたりになります。

また、夏と冬の気温差は、北海道の気候や太平洋側の気候よりも大きくなっています。ただし、雨温図を見てもその差はわかりにくいですので、判別の材料としては決め手に欠けるところがあります。

 

ⅱ)降水量

梅雨と台風の時期に降水量が多めとなるので、棒グラフは2つの頂上がある山の形となります。ただし、年間降水量は比較的少なく、長野県松本市では約1000mmとなります。

 

 


6.瀬戸内の気候

①特徴

瀬戸内海周辺の地域に見られます。具体的には、中国地方の南部、四国地方の北部、近畿地方の一部、九州地方の一部をふくんだ地域です。

北に中国山地、南に四国山地があるため、冬・夏ともに季節風がさえぎられるので、1年を通して降水量が少ないのが特徴です。

 

②雨温図

ⅰ)気温

折れ線グラフはやはり山の形となります。太平洋側の気候(東京)とほぼ同じぐらいです。気温だけでは判別はできません。

 

ⅱ)降水量

中央高地の気候とほぼ同じです。梅雨と台風の時期に降水量が多めとなるので、棒グラフは2つの頂上がある山の形となります。ただし、年間降水量は比較的少なく、香川県高松市では約1000mmとなります。

 

 


雨温図の判別のしかた

日本の6つの気候について、雨温図(気温と降水量のグラフ)を見て判断できるようにしておく必要があります。ここでは、雨温図が出されたときに、何に注目して分類していけばいいかを紹介します。

 

年間降水量の多い・少ないの基準は、2000mm前後あるいはそれ以上であれば多い、1000mm前後あるいはそれ以下であれば少ない、1500mm前後であれば普通、とここでは表記します。

 

1.冬の降水量に注目

冬の降水量が明らかに多い場合、つまり、12か月分の棒グラフが山をつくっていない(夏より冬の降水量が多い)場合は、[日本海側の気候]となります。

中国地方の日本海側でも、冬の降水量が春・秋よりも明らかに多くなっていて、山の形になりません。

 

冬の降水量が少ない場合は、それ以外に注目して判断していくことになります。

 

 

2.年間降水量に注目

①年間降水量が多い場合

南西諸島の気候]で決まりです。

気温のグラフも見ておきましょう。全体的に高い気温で推移していて、折れ線グラフの山の標高差も小さくなっています。

 

残る気候は4つです。

 

②年間降水量が少ない場合

年間降水量が少ない場合、それだけでは判断できませんので、気温に注目します。

 

ⅰ)気温が低い場合

全体的に気温が低く、最も寒い月の平均気温が明らかにマイナス(氷点下)になっていれば(厳密には-3℃未満)、亜寒帯(冷帯)の[北海道の気候]となります。

 

ⅱ)気温が比較的高い場合

夏は25℃前後まで上がり、冬でもせいぜい5℃くらいまでしか下がらない場合、つまり、太平洋側の気候(東京)と同じような気温の場合は、[瀬戸内の気候]と判断できます。

 

ⅲ)気温がⅰとⅱの中間の場合

夏は25℃くらいまで上がり、冬は0℃前後まで下がる場合は、[中央高地の気候]となります。標高が高いため、気温が低くなっています。また、よく見ると年間の気温差が大きい、という点も、この気候の特徴です。

 

③年間降水量は普通の場合

残った[太平洋側の気候]となります。念のため、気温も見ておきましょう。夏は25℃前後、冬は5℃前後となっているはずです。

 

 

3.注意点と最後の決め手

特に日本海側の気候太平洋側の気候についていえることですが、この2つの気候は、気候の種類ごとに色分けされた地図を見てもわかる通り、範囲がとても広いです。

そのため、地域によって気温に差がありますので、その点も気をつけなければなりません。

 

例えば、2つの雨温図があって、それぞれ仙台市と鹿児島市のものだとします。ここで紹介した分類法ですと、どちらも太平洋側の気候になります。

では両者の違いを判別する決め手は何か? となったら、気温しかありません。北は低く南は高いのですから、両方の雨温図を比較して、気温の高いのが鹿児島市、気温の低いのが仙台市となります。

 

日本海側の気候でも同様です。青森県と島根県であれば、青森県の方が全体的に気温は低くなります。また、冬の降水量は、東北地方・北陸地方はとても多くなりますが、中国地方の日本海側などは極端に多くはなりません。

このように、日本海側の気候の場合は、気温だけでなく冬の降水量も手がかりになります。