1.知っておくこと
高校入試では、時差に関する計算問題が出題されます。基本的な問題から応用的な問題まで、都道府県や年度によってさまざまですが、ここでは、前提として最低限知っておくべきことを紹介しておきます。
①日本の標準時
時差の計算問題では、日本の標準時を知らないと解けない(そもそも計算ができない)問題が大部分です。日本の標準時は、兵庫県明石市を通る東経135度の経線であることは覚えておきましょう。
日本の国土は、東経122度から154度の間に位置しますが、どの都道府県・市町村であろうと、日本国内であれば、全てこの東経135度で日本時間が導かれますので、注意しましょう。
②時差の生じ方
経度15度で1時間の時差が生じます。360÷24=15がその根拠です。
(地球1周は経度でいうと360度。時間は24時間なので)
③時計の動かし方
東へ進む場合は、時計を進めます。西へ進む場合は、時計を遅らせます。
太陽は東の方角から昇るので、東の地域が早く朝を迎えます。日本は世界の中でも早い段階で1月1日(新年)を迎えます。これは日本が世界の中でも東側に位置しているからです。
より正確には、日付変更線のすぐ西側が、一番早く新しい朝や新年を迎えることになります。日本は、日付変更線に近いですね。
2.時差の求め方
2地点間の時差を求める場合の公式は、「2地点間の経度差」÷15=「時差」となります。
※「2地点間の経度差」の求め方
東経どうし、西経どうしの経度差は引き算で求められます。東経と西経の経度差は足し算で求められます。
なお、ミスのもとになるので、日付変更線(ほぼ経度180度)をまたいで経度差を求めてはいけません。
3.例題
次の時差を求めなさい。計算手順は「経度差を求めてから、15で割って時差を求める」です。
①東経90度と東経15度の経度差と時差
・経度差:90-15=75度
・時差:75÷15=5時間
②西経120度と西経30度の経度差と時差
・経度差:120-30=90度
・時差:90÷15=6時間
③日本と東経30度の経度差と時差
・経度差:135-30=105度
・時差:105÷15=7時間
④東経30度と西経90度の経度差
・経度差:30+90=120度
・時差:120÷15=8時間
⑤日本と西経120度の経度差
・経度差:135+120=255度
・時差:255÷15=17時間
実際の問題では、以上のようにして計算した時差の時間分だけ、時計を進めたり遅らせたりして、外国の現地時間や日本時間を求める、という出題が大部分です。
時差の計算は、実際に練習して慣れておく必要があります。このページなどを参考に練習をしておきましょう。